2019/12/22

同型写像

エミール・アルティン『ガロア理論入門』第2章第3節続き。

KK 内の既約多項式 \ ( f(x) \) の根 αα を使って集合 E0E0 をつくり、その集合 E0E0 が体であることを示そうとしています。そこで、集合 E0E0 を模写した、記号 xixi を用いて集合 E1E1 をつくりました。E1E1 が体であることを示すことで、E0E0 が体であることを示そうということです。前回E1E1 が体であることを示しました。

そして、E1E1 から E0E0 への写像を考えると、同型写像であり、E0E0 が体であることがわかります。

以下は、1つの体 KK から他の体 K の中への写像 σ の性質について述べている箇所です。
 一般に1つの体 K から他の体 K の中への写像 σ で次の性質をもつものを考える。すなわち K の任意の要素 α に対して、 α に対応する K の要素を σ(α) で示すとき、K の任意の要素 α,β に対して次の性質をもつ写像である。

1. σ(α+β)=σ(α)+σ(β)
2. σ(αβ)=σ(α)σ(β)

ここで σ(α)=0 のような要素 α0 が存在すれば、性質2によって任意の β に対して、
σ(β)=σ(αα1β)=σ(α)σ(α1β)=0σ(α1β)=0
となり、K 全体が0に写像されてしまう。しかしこの写像は意味のないものであるから、ここでは次のことを仮定する。

3 α0 ならば σ(α)0
この3つの性質から、さらに
σ(αβ)=σ(α)σ(β)σ(αβ)=σ(α)σ(β)α=βσ(α)=σ(β)
が得られ、σK から K の中への一対一の写像であることがわかります。このような写像を K から K の中への同型写像といいます。このとき、 K の像は K の部分体です。

さらに、写像 σ が体 K を体 K 全体へ写像するときは、 K から K上への同型写像といいます。このときは逆に K から K の上へもどる逆写像 σ1 を考えることができ、これも K から K の上への同型写像となります。そして、K から K の上への同型写像が存在するとき、KK は同型であるともいいます。

この定義は KK に一致していてもさしつかえなく、σK からそれ自身への上への同型写像のとき、σK の自己同型写像といいます。この場合には σ1K の自己同型写像です。また、K の恒等写像は K の1つの自己同型写像です。


0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ