2019/11/06

有限体Fpについて考える

前回までのあらすじ)
『数学ガール/ガロア理論』を読んで「ガロア理論」に興味を持った僕は、古本屋で『ガロア理論入門』を見つけたので読みはじめた。しかし、文系の僕にとっては「入門」と言えどレベルが高く、読むのに四苦八苦。「数学ガール」シリーズをはじめ、数学読み物やWeb検索で勉強しつつ、なんとか『ガロア理論入門』の内容を理解しようとする。『ガロア理論入門』の各節には練習問題がついていて、現在取り組んでいる問題は、有限体に関する問題だった。

と、ちょっと物語風にこれまでのところをまとめてみました。

現在取り組んでいる問題と解答は次のものです(エミール・アルティン『ガロア理論入門』)。
問題1-4
有限個の要素からなる体を有限体という。有限体Kがq個の要素をもてば、Kの任意の要素xは xq=xを満たすことを証明せよ(実は有限体はすべて可換であることが証明される)。
(解答)
0を除くq-1個の要素は乗法に関して位数がq-1の群をつくる。よってx≠0のときxq-1=1。よってxq=x。x=0もこれを満たす。
解答を読んでもよくわからないため、具体的に有限体の例を使って、問題と解答に書かれていることを確認していきたいと思います。

僕の知っている有限体は、結城浩『数学ガール/フェルマーの最終定理』に出てきた、有限体Fpしか知りません。そこで、まずは有限体Fpを例に、問題と解答の理解につなげたいと思います。「数学ガール」でいうところの《例示は理解の試金石》です。

有限体とは、有限個の要素からなる体です。体の定義はここでは省略します。これから考えていく有限体Fpは、素数pを法とした剰余環Z/pZです。
p=Z/pZ={0, 1, 2, …, p-1}
加法と乗法を mod p(pで割った剰余)で考えます。(環、整数環、剰余環、mod についてもどこかでまとめておきたいですが、ここでは省略します。)

まずは、有限体Fpをいくつか挙げ、それらの演算表をつくります。
2=Z/2Z={0, 1}
3=Z/3Z={0, 1, 2}
5=Z/5Z={0, 1, 2, 3, 4}
7=Z/7Z={0, 1, 2, 3, 4, 5, 6}
素数は無限に存在しますので、有限体Fpの全てを挙げることはできません。ひとまずF7までで。

有限体F2とF3の演算表

有限体F5の演算表

有限体F7の演算表

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