2019/12/14

ビリヤード玉の問題再考(3)

森博嗣さんの『笑わない数学者』の中でのビリヤード玉の問題についてあらためて考えています。
五つのビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングでつなげてみるとしよう。玉には、それぞれナンバが書かれている。さて、この五つの玉のうち、幾つ取っても良いが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、五つ全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバを足し合わせて、1から21までのすべての数ができるようにしたい。さあ、どのナンバの玉を、どのように並べて、ネックレスを作れば良いかな?
この問題を一般的な問題におきかえることができるとしたらどのようになるのかについて考えてみます。

問題では5個のビリヤード玉で、取った玉のナンバを足し合わせて1から21までのすべての数ができるようにしたいとしていますが、これは、玉のとり方が\( 21 \) 通りあるからであるとします。\( n \) 個の場合だと、玉の取り方は \( n(n-1)+1 \) 通りとなります。ここから確認していきましょう。

まずは5個の場合を考えます。リング状につながったビリヤード玉に記号をつけておきます。右回りに「A-B-C-D-E」とつながっているとします。リング状ですので最後のEはAにつながっています。

まずは、1個を取る場合。これはAを取るか、Bを取るか、Cを取るか、Dを取るか、Eを取るかの5通り。2個の場合は、A-B、B-C、C-D、D-E、E-Aの5通り。3個の場合は、A-B-C、B-C-D、C-D-E、D-E-A、E-A-Bの5通り。4個の場合は、A-B-C-D、B-C-D-E、C-D-E-A、D-E-A-B、E-A-B-Cの5通り。5個の場合は、A-B-C-D-Eの1通りとなります。\( 5+5+5+5+1 = 21 \) で、\( 21 \) 通りとなります。

\( n \) 個の場合だと、1個を取る取り方が \( n \) 通り、2個も \( n \) 通り、3個も \( n \) 通り、……、 \( n-1 \) 個も \( n \) 通り、 \( n \) 個すべてを取るのが1通りとなり、合計 \( n(n-1) + 1 \) 通りとなります。

なので問題を一般化するとすれば、\( n \) 個のビリヤード玉で、1から\( n(n-1) + 1 \) までのすべての数ができるように、ということになります。玉を取る条件は変わりません。

5個のビリヤード玉のときは、1から21までのすべての自然数をつくることができましたが、他の個数のときには解答があるかどうかわかりません。また、一意に定まるかどうかもわかりません。実際、確認したところでは、1個のときは解あり(1つ)、2個のときも解あり(1つ)、3個の場合も解あり(1つ)、4個の場合は解ありですが2つの解、5つのときは解あり(1つ)。また、詳細未確認ですが、6個のときは複数解あり、7個のときは解なしとなるようです。(以前に書いたブログより。以前のブログに参照したサイトのリンクをつけていましたが、リンク切れとなっていました。6個のときと7個のときは検証が必要です。)

そこでこれから考えていく問題文を以下のようにしたいと思います。厳密さを要求するならばもう少ししっかりと書いたほうがいいのかもしれませんが、いまはこのくらいで。
\( n \) 個の自然数が、真珠のネックレスのように、リングでつながっている。この \( n \) 個の自然数のうち、幾つ取っても良いが、隣どうし連続したものしか取れない。一つでも、二つでも、\( n \) 個全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った自然数を足し合わせて、1から \( n(n-1)+1 \) までのすべての自然数ができるようにしたい。\( n \) がどのようなときに成り立つだろうか。あるいはどのようなときに成り立たないだろうか。

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