問題2-7 p は素数、a0,a1,⋯,an は整数で、早速、本の解答をみてみましょう(早速かい!!)
(1) p∤anのとき f(x)=a0+a1x+⋯+anxn は有理数体 Q 上既約であることを示せ。
(2) p∣ai(i=0,1,2,⋯,n−1)
(3) p2∤a0
解答記号が多いですが、しっかりと読めば証明の内容は理解することができます(証明の方法を思いつくことはまだ難しいですが……)。ここでも背理法が使われていますね。
f(x) が Q 上可約ならば、整数を係数とする、次数が n−1 以下の g(x),h(x) の積に分解される。
g(x)=b0+b1x+⋯+bn−1xn−1,とする。ここで係数の中には0のものがあってもよい。f(x)=g(x)h(x) の係数をくらべて a0=b0c0 かつ p∣a0, p2∤a0 だから、たとえば p∣b0, p∤c0となる。これと a1=c0b1+c1b0 かつ p∣a1 から p∣c0b1、したがって p∣b1 となる。
h(x)=c0+c1x+⋯+cn−1xn−1
次に a2=c0b2+c1b1+c2b0 と p∣a2 から p∣b2 となり、これをつづけて p∣bi (i=0,1,⋯,n−1) となり、g(x) の係数はすべて p で割りきれてしまい、したがって p∣an となって仮定に反する。
f(x) が Q 上可約であると仮定して、可約であれば、整数を係数とする、次数が n−1 以下の g(x),h(x) の積に分解されることから論を進めています。 g(x),h(x) を式で表わし、f(x)=g(x)h(x) の係数をくらべ、矛盾を導いています。
証明自体は理解できましたが、「p は素数、a0,a1,⋯,an は整数で、 p∤an, p∣ai(i=0,1,2,⋯,n−1), p2∤a0のとき f(x)=a0+a1x+⋯+anxn は有理数体 Q 上既約である」とは具体的にどういうことでしょうか。それを確認するために、問題2-8をみてみましょう。
問題2-8 前問を用いて、次の多項式は有理数体上既約であることを示せ。問題2-8は、問題2-7の内容を用いて、多項式が有理数体上既約であることを示す問題です。(1) から見ていきましょう。
(1) x3−3
(2) x4−8x2+2
(3) x4+x3+x2+x+1
x3−3 は、問題2-7での記号に当てはめると、a0=−3,a1=0,a2=0,a3=1 です。a3 つまり1の約数ではなく、他の係数( a0=−3,a1=0,a2=0 ) の約数で、かつ、p2 が a0 の約数ではないような素数 p として、p=3 があります。 3∤1 で、3∣−3(=a0),3∣0(=a1,a2) そして 32∤−3 なので、x3−3は有理数体上で既約であるといえます。
有理数体上で既約であるかどうかの判定に、問題2-7で示したことが使えるということですね。
続いて(2) を見ると、最高次の方から係数を列挙すると、1, 0, -8, 0, 2 となります。最高次の係数である1以外の数( 0, -8, 2 ) に共通の約数で素数のものとして、2があります。最高次の係数である1を割りきることはできませんし、定数項の2の約数に 22 はありません。(2)では、p=2 が条件にあてはまり、
x4−8x2+2 は有理数体上で既約であるといえます。
では、(3) x4+x3+x2+x+1 はどうでしょうか。
係数はすべて1ですので、条件にあう素数は見つかりません。だから可約、というわけではないことに注意ですね。この多項式は円分多項式と呼ばれているもののひとつで、有理数体上で既約であることは有名です(円分多項式については『ガロア理論入門』でも後ででてくるので、詳しくはそちらで)。
(3) が既約であることについては、『ガロア理論入門』の解答では以下のようにしていました。
f(x)=x4+x3+x2+x+1=x5−1x−1 に対して g(y)=f(y+1) とおくとg(y)=y4+5y3+10y2+10y+5 については、p=5 のときに問題2-7の条件にあてはまり、g(y) は既約となります。もし f(x) が可約であれば、g(y) が可約になってしまい矛盾する、だから f(x) は既約であるという背理法です。
g(y)=(y+1)5−1(y+1)−1=y4+5y3+10y2+10y+5であるから、前問により g(y) は既約、ところがもし f(x)=h(x)k(x) ならば g(y)=h(y+1)k(y+1) となって g(y) が可約となってしまうので、f(x) も既約である。
なぜこのような一手間をかけなければならないのかは、おそらく円分多項式だからということなのでしょうが、僕は詳しくはわかっておりません。今後、円分多項式が出てきたときに再考してみたいと思います。
この記事には関係ないですが、ブロクのCSSに囲み枠を追加してみました。以下のように書くと、なんとなく様になった気がします。
有理数体上の既約多項式
p は素数、a0,a1,⋯,an は整数で、
CSSの追加について、以下の記事を参考にしました。p は素数、a0,a1,⋯,an は整数で、
- p∤an
- p∣ai(i=0,1,2,⋯,n−1)
- p2∤a0
サルワカ「【CSS】おしゃれなボックスデザイン(囲み枠)のサンプル30」
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