Loading [MathJax]/jax/output/CommonHTML/jax.js

2019/12/02

3次方程式の解の公式の導出(6)

3次方程式の解の公式の導出(1)(2)(3)(4)(5)

ラグランジュ・リゾルベントを使った3次方程式の解の公式の導出について、前回は L3+R3,L3R3 を求めてから、L3,R3 そして、 L,R を求めてきました。

3次方程式 x3+px+q=0 の3つの解を、α,β,γ として、
3次方程式の解と係数の関係
{α+β+γ=0αβ+βγ+γα=pαβγ=q
ラグランジュ・リゾルベント(3次の場合)
{L=ωα+ω2β+γR=ω2α+ωβ+γ
解を L,R で表す
{α=13(ω2L+ωR)β=13(ωL+ω2R)γ=13(L+R)
L3+R3,L3R3 を係数で表す
L3+R3=27q,L3R3=27p3 
L3,R3 を係数で表す
L3=A+D,R3=AD
L,R を係数で表す
{L=3A+DR=3AD
(5),(6)A,D は以下)
{A=27q2D=(27q2)2+27p3
最後、(6)(3) に代入すれば、3次方程式 x3+px+q=0 の解の公式となります。

ここで、前回の最後の部分、(5) から (6) を求める部分について補足です。L3=A+D から L=3A+D としましたが、3乗根なので解は3つになるのに、なんで (6) となるのだ、R についても同様です。
L=3A+D,ω3A+D,ω23A+DR=3AD,ω3AD,ω23AD
カルダノの方法のときも同じ議論をしましたが、L が3通り、R が3通りの解なので、LR の組み合わせは9通りあります。カルダノの方法のときと同様の条件を探してみると、L3R3 を求める際に LR を求めました。LR=3p です。この条件に当てはまる LR の組み合わせは3通りになります。
(L,R)=(3A+D, 3AD),(ω3A+D, ω23AD),(ω23A+D, ω3AD)
(6)(3) に代入して、3次方程式 x3+px+q=0 の解の公式をつくるとわかりますが、この組み合わせならば、3次方程式 x3+px+q=0 の3つの解は定まります。

最後、(6)(3) に代入して、3次方程式 x3+px+q=0 の解の公式となります。
{α=13(ω23A+D+ω3AD)β=13(ω3A+D+ω23AD)γ=13(3A+D+3AD)
ただし、ω は、1の原始3乗根のひとつで、
{A=27q2D=(27q2)2+27p3
とします。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ