ラグランジュ・リゾルベントを使った3次方程式の解の公式の導出について、前回は L3+R3,L3R3 を求めてから、L3,R3 そして、 L,R を求めてきました。
3次方程式 x3+px+q=0 の3つの解を、α,β,γ として、
3次方程式の解と係数の関係
{α+β+γ=0αβ+βγ+γα=pαβγ=−q
ラグランジュ・リゾルベント(3次の場合)
{L=ωα+ω2β+γR=ω2α+ωβ+γ
解を L,R で表す
{α=13(ω2L+ωR)β=13(ωL+ω2R)γ=13(L+R)
L3+R3,L3R3 を係数で表す
L3+R3=−27q,L3R3=−27p3
L3,R3 を係数で表す
L3=A+√D,R3=A−√D
L,R を係数で表す
{L=3√A+√DR=3√A−√D
( (5),(6) の A,D は以下)
{A=−27q2D=(27q2)2+27p3
最後、(6) を (3) に代入すれば、3次方程式 x3+px+q=0 の解の公式となります。ここで、前回の最後の部分、(5) から (6) を求める部分について補足です。L3=A+√D から L=3√A+√D としましたが、3乗根なので解は3つになるのに、なんで (6) となるのだ、R についても同様です。
L=3√A+√D,ω3√A+√D,ω23√A+√DR=3√A−√D,ω3√A−√D,ω23√A−√D
カルダノの方法のときも同じ議論をしましたが、L が3通り、R が3通りの解なので、L と R の組み合わせは9通りあります。カルダノの方法のときと同様の条件を探してみると、L3R3 を求める際に LR を求めました。LR=−3p です。この条件に当てはまる L と R の組み合わせは3通りになります。(L,R)=(3√A+√D, 3√A−√D),(ω3√A+√D, ω23√A−√D),(ω23√A+√D, ω3√A−√D)
(6) を (3) に代入して、3次方程式 x3+px+q=0 の解の公式をつくるとわかりますが、この組み合わせならば、3次方程式 x3+px+q=0 の3つの解は定まります。最後、(6) を (3) に代入して、3次方程式 x3+px+q=0 の解の公式となります。
{α=13(ω23√A+√D+ω3√A−√D)β=13(ω3√A+√D+ω23√A−√D)γ=13(3√A+√D+3√A−√D)
ただし、ω は、1の原始3乗根のひとつで、{A=−27q2D=(27q2)2+27p3
とします。
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