問題2-5 次の各多項式は有理数体 QQ 上既約であることを示せ。問題2-5について、『ガロア理論入門』の解答は、(1) が有理数体 QQ 上既約であることの証明を掲載し、「(2)も同様である」としていましたので、このブログでは(2)が有理数体 QQ 上既約であることを示したいと思います。問題2-6の解答は、このブログでは省略します。
(1) f(x)=x5−x−1f(x)=x5−x−1
(2) x4+8x4+8
問題2-6 f(x)=x5−ax−1f(x)=x5−ax−1 が有理数体上可約となるように整数 aa を定めよ。
有理数体 QQ 上既約であるというのは、言葉を変えると、有理数体 QQ 上で因数分解できないということです。有理数体 QQ 上可約であるとは、有理数体 QQ 上で因数分解できるということです。
できないことを証明するには、背理法がよく使われます。解答も背理法を使って証明しています。
以下に記載している証明は、本に載っている証明の式や数を変えただけではなく、自分なりのやり方で自分の言葉におきなおして書いているので、冗長なところや言葉足らずなところがあるかもしれません。
問題
x4+8x4+8 は有理数体 QQ 上既約であることを示せ。
解答
背理法を使う。f(x)=x4+8f(x)=x4+8 として、f(x)f(x) は有理数体上可約であると仮定する。
f(x)f(x) が可約であるとすると、問題2-4から、整数を係数にもつ多項式に分解できる。
(問題2-4はこちらを参考)
f(x)f(x) は4次の多項式であるので、分解できるとすると、f(x)f(x) が1次因数をもつ(1次の多項式と3次の多項式に分解)か、2次因数をもつ(2つの2次の多項式)かの分解となる。
(i) f(x)f(x) が1次因数をもつ場合
f(x)=(x−a)(x3+⋯+b)f(x)=(x−a)(x3+⋯+b) とする( a,ba,b はともに整数)。展開して係数を比較すると、−ab=8−ab=8 が得られる。これを満たす整数 aa は、a=±1,±2,±4,±8a=±1,±2,±4,±8 である。一方、aa は、f(x)f(x) の根であるので f(a)=0f(a)=0 となるはずだが、a=±1,±2,±4,±8a=±1,±2,±4,±8 はどれも f(a)=0f(a)=0 を満たさない(有理数範囲では xx がどのような値でも x4+8>0x4+8>0 である)ので矛盾する。
(ii) f(x)f(x) が2次因数をもつ場合
f(x)=(x2+ax+b)(x2+cx+d)f(x)=(x2+ax+b)(x2+cx+d) とする( a,b,c,da,b,c,d はともに整数)。
f(x)=(x2+ax+b)(x2+cx+d)=x4+(a+c)x3+(b+d+ac)x2+(ad+bc)x+bd
より、係数を比較して、
{a+c=0⋯⋯①b+d+ac=0⋯⋯②ad+bc=0⋯⋯③bd=8⋯⋯④
①より、c=−a
③に代入して、
ad+b(−a)=0a(d−b)=0
よって、a=0 または b=d。
a=0 のとき、c=0。②に代入して、b+d=0 つまり b=−d。④に代入して、b2=−8 を得るが、2乗して-8となる整数は存在しない。
b=d のときも、④に代入すると b2=8 を得るが、2乗して8となる整数は存在しない。
ゆえに、(i) f(x) が1次因数をもつ場合も、(ii) f(x) が2次因数をもつ場合も矛盾が生じるので、x4+8 は有理数体 Q 上既約である。
0 件のコメント:
コメントを投稿