2019/12/01

3次方程式の解の公式の導出(1)

2次方程式の解の公式の導出を書いている途中、ブログ内で数式を表示できるようにMathJaxを使用できるようにしてみた。

しかし、スマホ(モバイル)では表示されない。PC上では表示されている。

おそらく、使用しているブログサービス(Blogger)では、PCサイトとモバイルサイトでテーマを別々にしており、今回Mathjax用に埋め込んだスクリプトがPC上でしか動作していないからだと思われる。モバイル用テーマでのカスタマイズが可能であるかどうかはこれから調べるので、しばらくはPCでのブラウザ表示でしか数式は表示されないと思う。

さて、せっかく数式表示をできるようにしたし、前回、2次方程式の解の公式の導出をあげたので、Mathjaxの練習も兼ねて、3次方程式の解の公式の導出をあげてみたいと思う。

3次方程式は一般的に次のように書き表わすことができる。
$$
ay^3 + by^2 + cy + d = 0 \qquad (a \neq 0)
\tag{1}
$$
\(a \neq 0\) であるのは、\(a = 0\) であれば2次方程式となってしまうからである。未知数を \(x\) ではなく \(y\) としているのは、単にこれから変数変換でこの3次方程式を少し簡単な形にしようとしているからである。

早速、変数変換をしていこう。\(y = x - \frac{ b }{ 3a }\) として上記の3次方程式 \((1)\) に代入する。
$$
\begin{align}
(左辺) &= a (x - \frac{ b }{ 3a } )^3 + b(x - \frac{ b }{ 3a } )^2 + c(x - \frac{ b }{ 3a } ) + d \\\\
&= a (x^3 - 3 \cdot \frac{ b }{ 3a } x^2 + 3 \cdot \frac{ b^2 }{ 9a^2 } x - \frac{ b^3 }{ 27a^3 }) \\\\
& \qquad + b (x^2 - 2 \cdot \frac{ b }{ 3a } x + \frac{ b^2 }{ 9a^2 }) + c (x - \frac{ b }{ 3a } ) + d \\\\
&= ax^3 - bx^2 + \frac{ b^2 }{ 3a } x - \frac{ b^3 }{ 27a^2 } + bx^2 - \frac{ 2b^2 }{ 3a } x + \frac{ b^3 }{ 9a^2 } + cx - \frac{ bc }{ 3a } + d \\\\
&= ax^3 + \frac{ b^2 }{ 3a } x - \frac{ 2b^2 }{ 3a } x + cx - \frac{ b^3 }{ 27a^2 } + \frac{ b^3 }{ 9a^2 } - \frac{ bc }{ 3a } + d \\\\
&= ax^3 - \frac{ b^2 - 3ac }{ 3a } x + \frac{ 2b^3 - 9abc + 27a^2d }{ 27a^2 }
\end{align}
$$
つまり、3次方程式 \((1)\) は、
$$
ax^3 - \frac{ b^2 - 3ac }{ 3a } x + \frac{ 2b^3 - 9abc + 27a^2d }{ 27a^2 } = 0
\tag{2}
$$
となる。\(a \neq 0\) なので、3次方程式 \((2)\) の両辺を \(a\) で割って、
$$
x^3 - \frac{ b^2 - 3ac }{ 3a^2 } x + \frac{ 2b^3 - 9abc + 27a^2d }{ 27a^3 } = 0
\tag{2'}
$$
ここで、
$$
p = - \frac{ b^2 - 3ac }{ 3a^2 } , \qquad q = \frac{ 2b^3 - 9abc + 27a^2d }{ 27a^3 }
$$
とすると、3次方程式 \((2')\) は、次のように書ける。
$$
x^3 + px + q = 0
\tag{3}
$$
この3次方程式 \((3)\) の解の公式をつくることができれば、\(y = x - \frac{ b }{ 3a }\) と、\(p = - \frac{ b^2 - 3ac }{ 3a^2 } , q = \frac{ 2b^3 - 9abc + 27a^2d }{ 27a^3 }\) より、3次方程式 \((1)\) の解の公式をつくることができる。

以降、この \((3)\) の解の公式を求めていく。


なお、このように3次方程式(あるいは多項式)の2次の項を消すやり方について、チルンハウス変換とか、立法完成とか、フェラーリの方法とか、いくつかの名前で呼ばれている。おそらくはそれぞれに定義みたいなものがあるのだろうが、確認していない。チルンハウスやフェラーリというのは数学者の名前である。立法完成は名前から3次式でしかいわれないだろう。2次式のときには「平方完成」というのがあった。


【参考】
Mathjaxでの数式表示について、以下のサイトにお世話になった。
Easy Copy Mathjax
物理とか「mathjaxの使い方」

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