2019/12/15

体の公理の確認

エミール・アルティン『ガロア理論入門』第2章第3節の続きです。

KEKE で、体 KK 上の代数的な EE の要素 αα の最小多項式 f(x)f(x) の性質を確認し、いまは次のような要素 θθ のつくる EE の部分集合 E0E0 が体であり、K(α)K(α) であることを示そうとしています。そのために、 まずは E0E0 を模写した E1E1 が体であることを示そうとしています。 E1E1 に体の乗法として新しい乗法を定義し、E1E1 が体の定義に当てはまるかどうかの確認をしているところです。
 ここでわれわれは古い意味の乗法を完全にやめることにして、新しい乗法だけを扱うことにする。また、記号をかえて新しい乗法を点(または並べておくだけ)を用いて表わすことにする。
このような意味で演算
c0+c1ξ++cn1ξn1c0+c1ξ++cn1ξn1
の結果を考えてみると、次数が nn より小さいので、演算の結果ははじめからこの形に表わされている E1E1 の要素に一致する。また
ξn=an1ξn1an2ξn2a0ξn=an1ξn1an2ξn2a0
であるから、移項して E1E1 内で f(ξ)=0f(ξ)=0 のなりたつことがわかる。
以上のようにして、集合 E1E1 をつくり、次にその中で加法と乗法をつくり、この演算について、体の公理がほとんど満たされていることがわかった。さらに E1E1KK を部分体に含み、方程式 f(ξ)=0f(ξ)=0 を満たす要素を含んでいる。
新しい乗法を定義した上で、体の公理(定義)に当てはまるかどうかを確認し、そのほとんどの確認ができました。残るは、乗法に関して、0以外のすべての要素について逆元が存在することを示すことです。次のことはそのことを表わしていると思われます。
 ここで、 E1E1 が体であることを示すために E1 の2つの要素 g(ξ)0h(ξ) が与えられたとき
g(ξ)X(ξ)=h(ξ)
となるような E1 の要素
X(ξ)=x0+x1ξ++xn1ξn1
が存在することを示さねばならない。
逆元とは、次のような要素です。
逆元の定義(逆元の公理)
a を集合 G の要素とし、e を単位元とする。a に対して、以下の式を満たす bG を、演算★に関する a逆元と呼ぶ。
ab=ba=e
g(ξ)X(ξ)=h(ξ) となるような X(ξ) が存在することを示すことが、なぜ、乗法に関して0以外のすべての要素について逆元が存在することを示すことになるのか。次はそこを考えてみます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

ブログ アーカイブ