2019/12/18

ビリヤードの問題再考(6)

森博嗣さんの『笑わない数学者』の中でのビリヤード玉の問題についてあらためて考えています。

原点に戻って、5つのビリヤード玉で問題をあらためて考えます。
五つのビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングでつなげてみるとしよう。玉には、それぞれナンバが書かれている。さて、この五つの玉のうち、幾つ取っても良いが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、五つ全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバを足し合わせて、1から21までのすべての数ができるようにしたい。さあ、どのナンバの玉を、どのように並べて、ネックレスを作れば良いかな?
問題文の条件でビリヤード玉を取り出す方法が何通りあるかと数えると、21通りあります。5つのビリヤード玉を a1,a2,a3,a4,a5a1,a2,a3,a4,a5 として、この順につながっているとすると、取り出し方は次の21通りです。
1個だけ取り出す 5通り
a1,a2,a3,a4,a5a1,a2,a3,a4,a5
2個取り出す 5通り
a1+a2,a2+a3,a3+a4,a4+a5,a5+a1
3個取り出す 5通り
a1+a2+a3,a2+a3+a4,a3+a4+a5,a4+a5+a1,a5+a1+a2
4個取り出す 5通り
a1+a2+a3+a4,a2+a3+a4+a5,a3+a4+a5+a1,a4+a5+a1+a2,a5+a1+a2+a3
5個全部取り出す 1通り
a1+a2+a3+a4+a5
この21通りが、1から21までのすべての数(自然数)に対応することになります。この21通りのそれぞれの計算結果はすべて異なる数で、1から21のどれかということになります。そこから、1(と2)が a1,a2,a3,a4,a5 のうちのどこかに入ること、そして5個すべてを取り出した a1+a2+a3+a4+a5 が21となることが容易にわかります。

そこで、a1=1 としたとき、この21通りにどこまで大小関係がつけられるのかを考えてみたいと思います。

見やすさのため次のように記号をおきます。
A1=a1=1A2=a2A3=a3A4=a4A5=a5B1=a1+a2=1+a2B2=a2+a3B3=a3+a4B4=a4+a5B5=a5+a1=a5+1C1=a1+a2+a3=1+a2+a3C2=a2+a3+a4C3=a3+a4+a5C4=a4+a5+a1=a4+a5+1C5=a5+a1+a2=a5+1+a2D1=a1+a2+a3+a4=1+a2+a3+a4D2=a2+a3+a4+a5=20D3=a3+a4+a5+a1=a3+a4+a5+1D4=a4+a5+a1+a2=a4+a5+1+a2D5=a5+a1+a2+a3=a5+1+a2+a3E=a1+a2+a3+a4+a5=21
A1 など、記号をおく必要がないところもありますが、一貫性のために一応記号をおいています。また、A1=1 のようにすでにわかっている数字を書き込んでいます。この21個を小さいものから順に並べると1から21の数字となります。現在は a1=1 とおいているだけですので一列に並べることはできませんが、この状態でどこまで大小関係をつけられるか、どこまで並べられるのかを考えてみます。A1(=1)<<D2(=20)<E(=21) ですので、2から20の間を考えましょう。

まずは、A2 から A5 について。この4つは A1 よりも大きいことはわかりますが、現状、A2 から A5 のあいだで大小関係をつけることはできません。ただし、すべて異なる自然数であるということと、E=21 より、A2 から A5 のなかの自然数は最大でも11であることはわかります。4つの異なる自然数の組で最小の組み合わせは 1,2,3,4 で、この合計は10です。合計が21である5つの自然数のうちの4つを一番小さくしたとすると、残る1つは11となり、11より大きくなると他の4つの組み合わせは存在しなくなるためです。ここで使うかどうかはわかりませんが、一応書いておきます。
2A2112A3112A4112A511
続いて B1 をみてみましょう。B1=1+a2 ですので、A2<B1 が成り立ちます。ここで A2B1 の差は1ですので、 A2B1 の間には他の要素は入りません。そこで、このように間に何も入らないときは、[A2B1] と書いていきます。右側のほうが左側よりも1だけ大きいという意味です。3つ以上の要素を並べるときもあるかもしれませんが、その際も同様に考えます。

B5 についても、[A2B1] と同様に、[A5B5] といえます。すぐにわかる差が1の組み合わせを挙げておきましょう。
[A2B1],[A5B5],[B2C1],[B4C4],[C2D1],[C3D3]
と、このように大小関係を少しずつ確認してみることにします。

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