2011/02/27

学而第一・10「子禽問於子貢曰、~」

子禽子貢に問いて曰く、夫子の是の邦に至るや、必ず其の政を聞く。之を求めしや、抑々之に与えしや、と。子貢曰く、夫子は温・良・恭・倹・譲、以て之を得たり。夫子の之を求むるや、其れ諸れ人の之を求むるに異なるか、と。
子禽は子貢に次のような質問をしました。

「先生が、例えばこの国を訪れると、必ず国の君主と政治の相談をしています。これは先生が求めたのでしょうか、それとも先方から求められたのでしょうか?」

子貢は次のように答えました。

「先生は、温和・善良・恭敬・倹約・謙譲を持っているから求められたのだ。仮に先生から求めたとしても、その辺の人が求める求め方とは異なる。」


政治の話は苦手なので(^-^;)、仕事の話に置き換えて考えてみます。

仕事の話が好きだというわけではありませんが…。

SVのお仕事(3)-報連相

SVのお仕事(1)-モニタリング
SVのお仕事(2)-クレーム対応

SVの仕事として「報連相」と書くと、「そんなのどこでもやっているだろ!仕事以前の問題だ!」と言われそうですが…、SVの役割の3つ目「マネージャーへの報告・連絡・相談などのマネジメント」について、です。

「マネージャーへの」とついていますが、他の仕事と同じように、マネージャーへだけでなく関係する人々への報告・連絡・相談は大切なものです。ただし、コールセンターでの特徴として、報告・連絡・相談の「マネジメント」も大切です。

私は、SVの役割としての報告・連絡・相談について「交通整理」と思っています。

オペレーターから挙がる声(つまりは顧客の声)を然るべき担当部署や担当者に伝えたり、逆に担当部署や担当者からの情報を取捨選択してオペレーターに伝えたり…顧客と会社を結ぶハブのような役割です。もちろんそこには、マネージャー経由で伝えたり伝わったりするものもあります。

一方通行の道に入っていかないように注意したり、道案内をしたり、信号が壊れたときに車や歩行者を誘導したり…。

顧客と会社の情報の交差点がコールセンターです。

その交差点で何が起こっているのか?

この交差点での出来事をマネージャーに報告・連絡・相談することも仕事です。

2011/02/24

SVのお仕事(2)-クレーム対応

2つ目の役割は「コミュニケーターが応じきれないコール対応」です。

広い意味では、保留中の質問対応などもこれに含まれますが、真っ先に思い当たるのが、あまりあってほしくはないのですが「クレーム対応」です。

さて、クレーム対応ができているかどうかと問われれば…難しいところです。

確かに、電話窓口で「責任者に代わって」と言われることもあり、その際には代わって電話対応をすることもあります。実は今日(正確に言えば昨日)も電話を代わって対応しております。

確かに大切な役割ではあるのですが、クレーム対応はない方がいいのです。クレーム対応の時間が業務の大半を占めているならば、その窓口はパンクします。かといって、クレーム対応を「0(ゼロ)」にすることは、どこかで無理が生じます。

「クレーム」とは何か、と問われれば、それは、お客様の期待と現実のギャップです。そのギャップを声に出していただいたものがクレームです。そのため、クレームは問題の顕在化に一役買っています。「クレーム=怒っている」ではありません。


私の勤めるコールセンターでは、新人SV育成の項目のひとつとして「クレーム対応ができる」という項目があります。

さて、「クレーム対応ができる」とはどんな状態なのか?を考察してみます。
(相変わらず、答えはでないと思います…)

2011/02/22

SVのお仕事(1)-モニタリング

このブログで何度か書いていますが、私はコールセンターでスーパーバイザー(SV)という仕事をしています。コールセンターによってSVに求められるものは異なってきますが、SVの仕事を一般的に、そして簡単に言うと、私は「電話窓口の管理」と「オペレーターの育成」だと思っています。

佐伯学/寺川正浩(著)『コールセンター・マネジメント改革』では、スーパーバイザーの本来の業務として「応対品質と効率性の維持・管理」と「コミュニケーターに対する指導・育成」とし、以下のような「スーパーバイザーの役割」を挙げています。

応答品質と効率性の維持・管理
  • コール・モニタリングを通じたブースの監督・管理
  • コミュニケーターが応じきれないコール対応
  • マネージャーへの報告・連絡・相談などのマネジメント
コミュニケーターに対する指導・育成
  • グループを団結させるリーダーシップ発揮
  • コーチングを通じての指導・教育
  • ストレス対策や活性化などのモチベーションアップ

同書では、「コールセンター組織の要は、間違いなくスーパーバイザーである」とし、「スーパーバイザーが本来業務に専念でき、高い成果を上げている職場ほど、顧客からみても、職場のメンバーからしても満足度は高い」とも書かれています。

では、私自身はどうか?

上に挙げた「SV本来の業務」からみて、SVの業務と自分自身の業務内容を振り返ってみようと思います。

今回は、「コール・モニタリングを通じたブースの監督・管理」について、です。

2011/02/21

鏡像問題から考える

森博嗣さんの『笑わない数学者』に、以下のような問題があります。
「鏡に映った像は、左右が反対になりますね。どうして、上下や前後は逆にならないで、左右だけ入れ替わるのか、…」

そして、そのすぐ後に、以下のような回答が出ています。
「定義の問題です。左右だけが、定義が絶対的でないからです。上下の定義は空と地面、あるいは、人間なら頭と足で定義されます。前後も、顔と背中で定義できます。では、左右はどうでしょう? 左右の定義は、上下と前後が定まったときに初めて決まるのです。人間の体型が左右対称ですし、歩いたりするときも横には動きません。上下と前後の定義が独立していて、絶対的なものであるのに対して、左と右の定義は相対的です。この定義のために、鏡で左と右が入れ替わるんですよ。」

鏡の中では、上下は反対に見えないのに、左右が反対に見えるのはなぜか? この問題は「鏡像問題」と言われています。

先日ツイッター上で、この問題についてやり取りをしていて、鏡像問題自体が面白いと思ったこと、そしてこの鏡像問題からいろいろな興味が出てきたので、そのことについても若干ふれてみたいと思います。

2011/02/19

触媒のアナロジー

久しぶりに外山滋比古著『思考の整理学』を読み直しました。

10年ほど前に1度読んだことがあるのですが、それからずっとほったらかし…。で、昨年末頃に、何がきっかけなのかは忘れてしまいましたが、話題に出てきて、「そういえば1回しか読んでないな」と思い、家の中を探していたのですが見つかりませんでした。

1度読んだときから今までの間に3回引越しをしているので、引越しの際に処分をしてしまったのかもしれません…。

というわけで、買い直しました。

再読してまず思ったことは、「読みやすく、わかりやすい」ということ。

1度目は、『思考の整理学』というタイトルに魅かれ購入しました。大学生になってしばらくして、色々なことを学ぶうちに自分の頭の中も整理したいと思い、情報の整理のしかたとか、KJ法のこととかの本を読み漁っていた時期のことです。PCも使い始め、情報のデータベースを作りたいと思っていた時期でもあります。

なので、『思考の整理学』というタイトルから、さまざまな思考方法の分類とか、情報整理の本と思っていました。そして、読み始めたところ、何か違う…、拍子抜けしてしまった、というのが初読の感想でした。そしてそのまま10数年…。

今回読み直してみて、この本は、非常に考えられたエッセイの類と、認識を改めました。気付くのが遅いですが…

そして感じたのが「比喩」「アナロジー」の力です。

2011/02/18

クーリングオフから思うこと

私の勤めるコールセンターには、お客様から様々な連絡が入ってきます。

「申し込んだけど、やっぱりいらないから返す。」
「思っていたものと違うからキャンセルしたい。」
という連絡もしばしば。

オペレーターが、不調不良以外のお客様都合による返品についてお断りをすると、かなりの確率で出てくる言葉が「クーリングオフはできないの?」です。

こちらからの電話で申し込みをされた方には適用となるのですが、お客様からが電話をかけてきたり、WEBから申し込みをした場合、クーリングオフの適用は基本ありません。

かといって、窓口では「返品お断り!!」と無下に断るわけではなく、状況や理由を伺いつつ、商品についても説明しつつ、臨機応変に対応をしています。

この「クーリングオフ」は消費者を守るルール、いわば鎧とか盾とかの防具、ではありますが、消費者の武器ではありません。しかし、オペレーターは「クーリングオフ」という言葉で、責められているように感じているようです。

今回は、この「クーリングオフ」から考えたことについて書いていきます。

2011/02/17

学而第一・9「曾子曰、慎終追遠、~」

曾子曰く、終わりを慎み遠きを追えば、民の徳厚きに帰す。

この文の解釈は2つに分かれているようです(というか、2つの訳しか見ておらず、その2つが違っています)。

斉藤孝『現代語訳 論語』での訳を引用すると、
「人の上に立つ者が、親をしっかりと弔い、祖先を供養するなら、民の徳も感化されて向上するだろう。」
加地伸行『論語』での訳を引用すると、
「人々が父母の喪においても、祖先の祭祀においても、まごころを尽くすのであれば、その道徳心はすぐれたものになる。」
と、「慎終追遠」の主語が「上に立つ者」なのか「人々」なのか、の解釈の違いです。

加地伸行『論語』では、
一般に、「慎・追」の主語を世の指導者とし、模範的行動とするが、喪礼等は社会的儀礼としてすでに存在していた。この章の主張したいことは、形式ではなくて内容(まごころ)にあるので、主語を民としたほうが一貫している。
と述べています。「この章」というのは、「学而第一」の章を指します。(斉藤訳は注釈本の類ではないため、なぜこのような解釈としたかについては記載がありません。)

2011/02/15

『(ら)れる』のコーチング論(1)-受身・被害・自発・可能・尊敬

日本語の助動詞「れる・られる」の意味として、「受身・可能・尊敬・自発」と学校の国語の授業で習われた方も多いと思います。他にも「被害」の意味で用いられることもあります。

身近にある国語辞典で「れる・られる」を引いてみると、
【(ら)れる】
①相手の動作・作用を直接受ける立場であることをあらわす。
②相手の動作・作用によってめいわくを受けることをあらわす。
③しようと思わなくても、しぜんにそうなることをあらわす。
④できる意味をあらわす。
⑤尊敬をあらわす。
(三省堂『国語辞典』第5版)
ここでは、①の意味を「受身」、②の意味を「被害」、③の意味を「自発」、④の意味を「可能」、⑤の意味を「尊敬」と呼びます。

ひとつの言葉(ここでは「(ら)れる」)に複数の意味があるとき、何らかの関連性があるのではないかと思います。

そして、飛躍しますが、「(ら)れる」と、コーチングとの関係も考えると興味深い。

題して「『(ら)れる』とコーチング」をご紹介します。

まだ、まとまってはいませんが…

2011/02/13

学而第一・8「子曰、君子不重、~」

「君子」とは何か? どんな人か?

その回答のひとつが以下の言葉です。
子曰く、君子重からざれば、則ち威あらず。
学びても則ち固ならず。
忠信を主とし、己に如かざる者を友とする無かれ。
過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。

「君子」は、「重くなければ威はない」「学んでも固くならない」。

さて、どんなことをいっているのか?
訳語をもとにしてはいますが、以下、私なりの解釈です。

2011/02/11

【拡散希望】笑顔(^-^)

本日(2月11日)、NPO法人ハロードリーム実行委員会主催による「笑顔のコーチング」&「笑顔のコーチングファシリテーター養成講座」が開催され、参加してきました。

Hello Dream
Hello Dream 
ハロードリーム -こどもの夢を育む社会になる

コーチングについては、社内研修や独学で学んでいるところですが、ファシリテーターについては名前くらいしか知らず、また「笑顔のコーチング」についても、事前にHPで確認はしましたが、参加したことはなく、どのようなことをするのかは知りませんでした。

ただ「笑顔を引き出す」というフレーズには魅かれました。

また、今回の講師である本間正人さんに直にお会いしたい、という気持ちもありました(^-^;)

2011/02/10

急に走り過ぎた!?

先日、走っていてくるぶしの近くが痛くなり、10km走ろうとしていましたが途中で止めました。

すぐに痛みは引いたのですが、しばらく歩いているとまた痛くなる。そして歩かず普通にしていると痛みは全然ありません。

今日も痛みはなかったので普通にしていたのですが、仕事の行き帰りで歩いていると痛くなる。

ひょっとすると、疲労骨折かもしれない(疲労骨折をしたことはないのですが)、と思い、疲労骨折とはどのような症状なのか、をWEBで検索してみました。

2011/02/09

コミュニケーションのプロを目指して

オペレーターの退職の理由は何か、もちろん先日の記事にも書いたように、卒業や就職、女性ならば結婚、パートナーの転勤など環境の変化によって退職される方もたくさんいます。しかし中には、そういった仕事以外での理由ではなく、業務内容が合わない、職場環境が合わない、という理由で退職される方もいます。

人事部ならば知っているとは思いますが、私自身は退職理由の統計をとったことはありません。なので、一概には言えませんが、退職の理由として仕事以外の環境の変化を除けば、業務内容の問題と人間関係の問題が多いと感じています。(どんな仕事にでもあてはまるのかもしれません。)

2011/02/08

退職率を抑えるためにできること

とりあえず、当初の目的であった「コールセンターの退職率(離職率)はどのくらいなのか?」という疑問に立ち返ります。

私が勤めるコールセンターは、前回と前々回記事で見た、仁田道夫編『コールセンターの雇用と人材育成に関する国際比較調査』(東京大学社会科学研究所人材ビジネス研究寄付部門研究シリーズNo.16,2010年2月)での分類だと、「インハウス50人以上」のコールセンターです。

この分類での離職率は、
正社員:12.7%
フルタイム有期社員:8.2%
パートタイム有期社員:23.3%
派遣社員:16.5%
【加重平均】:15.0%

そこそこ高い数値なのです。

その他、分析に使用されている数値などを見てみましょう。

2011/02/06

類型別に見たコールセンターの離職率の分析(2)

前回記事の続きです。

仁田道夫編(2010)『コールセンターの雇用と人材育成に関する国際比較調査』では、コールセンターを「インハウス50人未満(正社員中心)」「インハウス50人未満(非正社員中心)」「インハウス50人以上」「ベンダー」の4つに分類し、その分類別の離職率から以下の3点の課題を立てていました。

  1. インハウス50人未満のセンターの加重平均をみると、正社員中心と非正社員中心のセンターに大きな差は見られない。通常正社員は離職率が低く、非正社員は高いから、非正社員中心のタイプのほうが離職率は高くなるはずである。そうならないのは何故なのだろうか。
  2. インハウス50人未満(非正社員中心)の平均離職率が、インハウス50人以上(実質的には非正社員中心)と比べて低い。常識的に考えれば、規模の大きい組織であるほど、人事管理制度や労働条件が整備され、離職率は低いはずであるが、そうなっていない。加重平均については、50人未満のほうが正社員のオペレーターを有している割合が高いので、その影響があることが考えられる。だが雇用形態別にみると、正社員とパートタイム有期社員でインハウス50人以上のセンターの離職率がかなり高くなっている。これがインハウス50人未満(非正社員中心)にくらべてインハウス50人以上(実質的には非正社員中心)のセンターの加重平均を高いものにしている大きな要因である。これは何故だろうか。
  3. ベンダーとインハウス50人以上(両者とも実質非正社員中心で、規模の大きいセンターが多い)の加重平均をみると、若干前者が高いが、それほど大きな差ではない。一般に、請負事業者のほうが発注側の事業所より労働条件が低位であり、仕事のプレッシャーも高くなりがちであるから、ベンダーのほうが離職率が相当高くなっておかしくない。これはどのような要因によるものだろうか。

仁田道夫編(2010)では、さらに組織の属性として「産業分野別」「主要業務別」「平均年齢別」「女性比率別」、人事管理として「年収別」、仕事による負担として「平均コール数別」「ターゲットタイム別」「仕事上の裁量別」に分けて分析。分析の結果、3つの課題について第1の課題と、第2・第3の課題は、「やや性格の違った問題であるようにみえる」としています。

第2・第3の課題については「仕事管理のあり方が重要な要因となっているのではないか」、第1の課題については、推測として「正社員中心の類型で、正社員オペレーターの一般的年収がやや低く、これが不満を招いているのかもしれない」とのまとめ。

今日はここまで。(あまり進んでいない…)

類型別に見たコールセンターの離職率の分析(1)

先日の記事「コールセンターの退職率」内でご紹介した研究の読み込みを行っていきます。

この研究の目的は、「コールセンターを類型別に分析し、離職率の類型別差異をもたらす要因を明らかにすること」です。

以下、自分なりに理解した内容をご紹介します。
まずは問題提起まで。

2011/02/05

トレーニング記録

今年の1月からフィットネスクラブに入会して、ランニングマシンで走っています。

「今年(こそ)は運動をするゾ!」と思い、フィットネスクラブに入会し、勢いでマラソン大会に申し込んだことは以前のブログに書きました。

今日は、今までの成果(?)を記録に残しておきたいと思います。

2011/02/04

コールセンターの離職率

コールセンターは比較的離職率が高い職場であると言われています。

確かに、私が勤めているコールセンターでも、3月決算期を迎えるにあたり大人数のオペレーターを採用しましたが、既に退職者が数名出ている状況。

そこで、
  • 実際、コールセンターは退職率が高いのか?
  • コールセンターでの一般的な退職率はどのくらいなのか?
  • 私が勤めているコールセンターの退職率は他社と比べてどうなのか?
に、興味を持った次第。

そして、さらには
  • 退職率を下げるためにはどういった対策が有効なのか?

こういったことは、WEB上に何かないかな、とちょっと探してみました。


一般的な企業は、わざわざ退職率を公示することはありません(ないと思います)。

で、調査とか、ベンチマーキング(?)とかになると思いますが、コールセンターの退職率について調査した研究が見つかりました。

  • 仁田道夫編
    『コールセンターの雇用と人材育成に関する国際比較調査』
    東京大学社会科学研究所人材ビジネス研究寄付部門
    研究シリーズNo.16,2010年2月

上記調査研究の第1部第3章が「類型別に見たコールセンターの離職率の分析」という章題です。以下のサイトで読むことができました。

が、斜め読みでは「よくわからない」というのが感想です(^-^;)

時間があるときに、じっくりと読んでみたいと思います。

2011/02/02

学而第一・7「子夏曰、賢賢易色、~」

子夏曰く、賢を賢として色を易んじ、父母に事えて能く其の力を竭くし、君に事えて能く其の身を致し、朋友と交わり、言いて信有らば、未だ学ばずと曰うと雖も、吾は必ず之を学びたりと謂わん。
「賢を賢として色を易んじ」の解釈がわかれているようです(加地伸行全訳注『論語』)。1つは一般的な解釈として、「色を易んじ」を「女色を軽んじる」すなわち女性を追っかけたりしない、という解釈。もう1つは、夫婦のあり方として「容姿などは2の次だ」という解釈(加地伸行全訳注『論語』はこちらの解釈を採用)。

「色」が「外見の美しい人」を表わすのであれば、「姿形にとらわれず、賢いものを賢いとする」という意味にとれるでしょう。斉藤孝訳『現代語訳 論語』では、「美人を好むかわりに、賢人を尊敬し、~」となっています。

どちらにしても、「外見でなく中身を見る」ということですね。

ここでのキーワードは、「学ぶ」。

これから論語の言葉の中で、「学ぶ」を追っかけてみたくなりました。

2011/02/01

学而第一・6「子曰、弟子入則孝、~」

子曰く、弟子入りて則ち孝、出でては則ち悌たれ。
謹みて信、汎く衆を愛して仁に親づけ。
行ないて余力あらば、則ち以て文を学べ。
「弟子」は「でし」ではなく「ていし」と読み、若者を指します。

若者は家庭生活では「孝」(親孝行の「孝」)を、社会生活では「悌(てい)」(目上の人を敬うこと)を行いなさい。言行を謹み、言行一致を、そして世間の人々を愛し「仁」に近づきなさい。

「サーバント・リーダー」を思い起こさせる一文(いや、二文)です。

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