私が勤めるコールセンターは、前回と前々回記事で見た、仁田道夫編『コールセンターの雇用と人材育成に関する国際比較調査』(東京大学社会科学研究所人材ビジネス研究寄付部門研究シリーズNo.16,2010年2月)での分類だと、「インハウス50人以上」のコールセンターです。
この分類での離職率は、
正社員: 12.7% フルタイム有期社員: 8.2% パートタイム有期社員: 23.3% 派遣社員: 16.5% 【加重平均】: 15.0%
そこそこ高い数値なのです。
その他、分析に使用されている数値などを見てみましょう。
まずは、産業分野に関して。
インハウス50人以上のセンターについては「保険・銀行・金融」分野のセンターが4割を占めています。先述の資料では、この「保険・銀行・金融」分野のコールセンターが除外された数値を出しており、私の勤めているコールセンターの産業分野は「小売」に入る(と思われる)ので、ここでの数値も参考になりそうです。
正社員: 19.3% フルタイム有期社員: 16.7% パートタイム有期社員: 34.6% 派遣社員: 8.7% 【加重平均】: 19.8%
あらら、高くなってしまいました…。
パートタイム有期社員は、私の勤めるセンターで言うとアルバイトですね。大学生もいるので、卒業や就職での退職を含めるとこのくらいの離職率となるかもしれません。
以下、考えられている要因と離職率との関係についての調査結果を箇条書きすると、
- 主な業務が「顧客からの電話対応」であるコールセンターの離職率は、「セールス・予約・電話番号案内など」が主な業務であるコールセンターの離職率より低い。
- オペレーターの平均年齢が若いほうが離職率は低い。ただしフルタイム有期社員はこの限りではない。
- 女性比率が離職率に及ぼす影響は判断できない。
- 一般的年収が高いほど離職率は低い。
- コール数が少ない方が離職率が低い。ただし正社員・フルタイム有期社員ではこの限りではない。
- ターゲットタイムの有無と離職率との相関は読み取れない。
ということが言えそうです。
ここから考えると、私が思い浮かべる言葉は「やりがい」です。
「セールス・予約・電話番号案内など」の業務のように単調になりがちな定型的な業務ではなく、もちろん給与はそれなりに。そしてコール数が少ない方が離職率は低いのです(時給いくらのアルバイトならばコール数が少ない方がいいかもしれない)が、正社員やフルタイム有期社員となるとコール数が少ないと離職率が高くなる。
いかに自分が働いているのか、給与に見合った仕事をしているのか、をしっかりと見てあげることがSVとしてオペレーターの退職を抑えるカギとなりそうです。
どのような仕事でも大切なことであるとはいえ、「承認」は改めて大切だと感じました。
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