2011/02/18

クーリングオフから思うこと

私の勤めるコールセンターには、お客様から様々な連絡が入ってきます。

「申し込んだけど、やっぱりいらないから返す。」
「思っていたものと違うからキャンセルしたい。」
という連絡もしばしば。

オペレーターが、不調不良以外のお客様都合による返品についてお断りをすると、かなりの確率で出てくる言葉が「クーリングオフはできないの?」です。

こちらからの電話で申し込みをされた方には適用となるのですが、お客様からが電話をかけてきたり、WEBから申し込みをした場合、クーリングオフの適用は基本ありません。

かといって、窓口では「返品お断り!!」と無下に断るわけではなく、状況や理由を伺いつつ、商品についても説明しつつ、臨機応変に対応をしています。

この「クーリングオフ」は消費者を守るルール、いわば鎧とか盾とかの防具、ではありますが、消費者の武器ではありません。しかし、オペレーターは「クーリングオフ」という言葉で、責められているように感じているようです。

今回は、この「クーリングオフ」から考えたことについて書いていきます。



「クーリングオフ」に関連する法律として「特定商取引法」があります。

この法律に「クーリングオフ」という言葉は出てきませんが、「特定商取引法」は、訪問販売や通信販売など、消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリングオフ等の消費者を守るルールを定めています。事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止するとともに、消費者の利益を守るための法律です。

「特定商取引法」の対象となる取引類型とは、「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」「連鎖販売取引」「特定継続的役務提供」「業務提供誘引販売取引」の6つです。

上記6つの取引類型のうち、私の勤めるコールセンターで扱う商品に関わる取引類型は、「通信販売」と「電話勧誘販売」です。「通信販売」は、新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申し込みを受ける取引で、「電話勧誘販売」は、電話で勧誘し、申し込みを受ける取引のことです。

「通信販売」は、商品を販売する会社ならばどこでもやっていそうなことです。実際の店舗での販売ではなく、WEBからの申し込みや、ハガキ・FAX・メールでの申し込みもこれに当たります。

「電話勧誘販売」は、同じコールセンターではありますが、別の部署で行っています。私の勤めるコールセンターは、インバウンド(IB)センターといって、お客様からかかってくる電話に対応するセンターです。逆にこちら側からお客様に電話をかけるセンターをアウトバウンド(OB)センターと呼びます。OBセンターでは、以前に商品を購入された方に電話をかけ、商品の購入を促しています。

最初に書いたように、OBセンターからのかけ電話で申し込みをされた方、つまり「電話勧誘販売」で商品を申し込まれた方は、クーリングオフの対象となります。申込みをされてから8日間のうちならば無条件に解約ができます。

しかし、「通信販売」については「クーリングオフ」に関する規定はありません。

では、「通信販売」は、「特定商取引法」でどのように規制されているのかというと、主には広告の表示についてです。

例えばWEBでの通信販売を例に挙げると、お客様はWEBでの告知を見て商品の購入を検討・決定します。この告知にウソ・偽りを載せたり、誇大広告であったりすると、お客様はそれを信じて購入するのですから、トラブルの種になります。

また、ワンクリックで申し込み決定、というようなことも「特定商取引法」では禁止しています。


お客様から「クーリングオフは適用できないの?」と問われたとき、それがかけ電話での申込みでなければ、回答は「適用できない」となります。しかし、単なる心変わりもないとは言えませんが、「申し込んだけど、やっぱりいらないから返す。」「思っていたものと違うからキャンセルしたい。」というときは、購入を決めたのに、いらない、というときには「期待」と「現実」のギャップがあったと言わざるを得ません。会社としては利益を上げたいので、やはりメリットを大きく告知します。デメリットも記載はしていますが、あまり目立たなかったりすることがあります。

「お客様は神様です」という言葉がありますが、神様ではありません。私はフィフティ・フィフティ(50:50)の関係だと思っています。別の言い方をすればWin-Winの関係です。お客様は商品を得て利用する、会社はその対価として利益を得る。
どちらかがWinとなってしまうと、関係は破たんします。

「クーリングオフ」のことをお客様が出されたとき、オペレーターによって2極化する傾向があります。一方は、お客様がWinでオペレーターがLoseの関係、もう一方は、お客様がLoseでオペレーターがWinの関係です。前者のオペレーターは「お客様はわがまま」と感じてしまい意気消沈。後者のお客様は「何なのあの会社」と失望。

Win-Winの関係を築くには、お客様の話をよく聞き、その話に合った提案ができるかどうかですが、それができるオペレーターはまだ割合的には少ないと言わざるをえません。

私たちSVの仕事のひとつは、Win-Winの関係を築けるオペレーターを育成することです。

【参考サイト】
消費生活安全ガイド

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