2つ目の役割は「コミュニケーターが応じきれないコール対応」です。
広い意味では、保留中の質問対応などもこれに含まれますが、真っ先に思い当たるのが、あまりあってほしくはないのですが「クレーム対応」です。
さて、クレーム対応ができているかどうかと問われれば…難しいところです。
確かに、電話窓口で「責任者に代わって」と言われることもあり、その際には代わって電話対応をすることもあります。実は今日(正確に言えば昨日)も電話を代わって対応しております。
確かに大切な役割ではあるのですが、クレーム対応はない方がいいのです。クレーム対応の時間が業務の大半を占めているならば、その窓口はパンクします。かといって、クレーム対応を「0(ゼロ)」にすることは、どこかで無理が生じます。
「クレーム」とは何か、と問われれば、それは、お客様の期待と現実のギャップです。そのギャップを声に出していただいたものがクレームです。そのため、クレームは問題の顕在化に一役買っています。「クレーム=怒っている」ではありません。
私の勤めるコールセンターでは、新人SV育成の項目のひとつとして「クレーム対応ができる」という項目があります。
さて、「クレーム対応ができる」とはどんな状態なのか?を考察してみます。
(相変わらず、答えはでないと思います…)
「クレーム対応ができる」とは、どんな状態なのか?
例えば、「逆上がりができる」と言うことはできます。そのとき、本当にできるかどうか確かめるには、「実際に逆上がりをする/してもらう」ことです。
これをクレーム対応に当てはめると、本当にできるかどうか確かめるには、「実際にクレーム対応をする/してもらう」ことになります。が、クレームにはピンからキリまで。「クレーム対応ができる」と言う場合、先ほどの逆上がりの例を借りれば、「鉄棒ができる」と言っているようなものです。
かといって「クレーム対応をしたことがある」とも違っていると思います。例えば「10回クレーム対応をした」からといって「クレーム対応ができる」とは言えないと思います。
ちょっと視点を変えて、クレーム対応ができるためには、どのようなことが必要なのかを考えてみましょう。お客様がオペレーターに向かって「責任者と電話を代わって」という理由から考えてみます。
理由の1つとしては、「あなたの話はよくわからないので、もっとわかる人と代わって。」というもの。これは責任者でなくとも、商品・サービスの知識がある人、あるいはわかりやすい説明ができる人ならば対応できるクレームとなります。ここで、「商品・サービスの知識がある」「わかりやすい説明ができる」と言うことができます。
また「あなたは私の言うことを理解してくれない」という理由も挙げられます。オペレーターがお客様の質問や要望をつかみきれないときです。ここでは「質問・要望をくみ取ることができる」とでも言いましょうか。
他の理由としては、「通常の対応ではなく、特別な対応をしてほしい」という理由。これは権限の問題となりますので、クレーム対応ができる要素としてはふさわしくありません。
また、オペレーターの対応(言葉づかいなど)で気分を害してしまった場合、ここからは、オペレーターよりも丁寧な言葉づかい等のオペレーションのスキルが必要になります。
最後に、解決へ導くための提案力。「(お客様がおっしゃる)こういうことはできないけれども、こういったことならばできます。」と少し視点をずらす(というと何か悪いような印象に聞こえますが)ことができるかどうかも必要です。
他にも色々と考えられますが、クレーム対応ではKSA(K:知識、S:スキル、A:態度)すべての要素が含まれています。
「クレーム対応ができる」という項目、実は新人SVのOJTをしていて見つけたもの。
○×つけることも難しいし、数値化することも難しい…。評価項目としてはふさわしくない項目かもしれませんが、SVとしてのKSAを総合的に見ることができる項目なのかもしれません。
2011/02/24
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