2011/02/06

類型別に見たコールセンターの離職率の分析(1)

先日の記事「コールセンターの退職率」内でご紹介した研究の読み込みを行っていきます。

この研究の目的は、「コールセンターを類型別に分析し、離職率の類型別差異をもたらす要因を明らかにすること」です。

以下、自分なりに理解した内容をご紹介します。
まずは問題提起まで。



まず、コールセンターを「業態別」「正社員率別」「規模別」に分類しています。

コールセンターの業態別分類は、「インハウス」のコールセンターなのか、「ベンダー」のコールセンターなのか。「インハウス」とは、自社部門としてコールセンターを持っている形態、「ベンダー」とは、コールセンターのアウトソーシング先で「アウトソーサー」とも言われます。

「正社員率別」は、正社員比率が1/2以上のコールセンターと、正社員比率が1/2未満のセンターに分類、規模は、「50人以上」と「50人未満」に分類されています。

理論的には、8つの分類(業態別2×正社員率別2×規模別2=8通り)となりますが、実際には、ベンダー50人以上で正社員中心は存在せず、ベンダー50人未満で正社員中心のセンターも少数、また、インハウス50人以上(正社員中心)も数は少ないため、「インハウス50人未満(正社員中心)」「インハウス50人未満(非正社員中心)」「インハウス50人以上」「ベンダー」の4類型構成で分析が進められています。

その4類型構成を含む離職率をまとめたものが以下の図です。


これらの数値から、以下3点の疑問を提示しています。

  1. インハウス50人未満のセンターの加重平均をみると、正社員中心と非正社員中心のセンターに大きな差は見られない。通常正社員は離職率が低く、非正社員は高いから、非正社員中心のタイプのほうが離職率は高くなるはずである。そうならないのは何故なのだろうか。
  2. インハウス50人未満(非正社員中心)の平均離職率が、インハウス50人以上(実質的には非正社員中心)と比べて低い。常識的に考えれば、規模の大きい組織であるほど、人事管理制度や労働条件が整備され、離職率は低いはずであるが、そうなっていない。加重平均については、50人未満のほうが正社員のオペレーターを有している割合が高いので、その影響があることが考えられる。だが雇用形態別にみると、正社員とパートタイム有期社員でインハウス50人以上のセンターの離職率がかなり高くなっている。これがインハウス50人未満(非正社員中心)にくらべてインハウス50人以上(実質的には非正社員中心)のセンターの加重平均を高いものにしている大きな要因である。これは何故だろうか。
  3. ベンダーとインハウス50 人以上(両者とも実質非正社員中心で、規模の大きいセンターが多い)の加重平均をみると、若干前者が高いが、それほど大きな差ではない。一般に、請負事業者のほうが発注側の事業所より労働条件が低位であり、仕事のプレッシャーも高くなりがちであるから、ベンダーのほうが離職率が相当高くなっておかしくない。これはどのような要因によるものだろうか。

(疑問点1の詳細)
「インハウス50人未満(正社員中心)」の平均離職率(加重平均)は11.2%、「インハウス50人未満(非正社員中心)」の離職率(加重平均)は12.9%で、あまり変わりません。普通、正社員は非正社員よりも離職率は低いので、正社員中心のセンターの方が離職率は低くなると思われるが、あまり変わらない。その要因は何か?

(疑問点2の詳細)
「インハウス50人未満(非正社員中心)」の平均離職率(12.9%)が、実質的には非正社員中心である「インハウス50人以上」の平均離職率(15.0%)と比べて低い。一般的には規模の大きい組織の方が離職率は低いが、そうなっていない。加重平均については、50人未満のほうが正社員のオペレーターを有している割合が高いので、その影響があることが考えられる。だが雇用形態別にみると、正社員とパートタイム有期社員で「インハウス50人以上」のセンターの離職率がかなり高くなっている(「インハウス50人以上」の正社員の平均離職率は12.7%、パートタイム有期社員の平均離職率は23.3%)。これはなぜか?

(疑問点3の詳細)
「ベンダー」と「インハウス50 人以上」はどちらとも実質非正社員中心で、規模の大きいセンターが多い。「ベンダー」の平均離職率をみると17.2%、「インハウス50人以上」の平均離職率は15.0%とあまり変わらない。だが、一般に、請負事業者のほうが発注側の事業所より労働条件が低位であり、仕事のプレッシャーも高くなりがちであるから、「ベンダー」の方が離職率が相当高くなっておかしくないのに、あまり変わらないのはなぜか?

今日はここまで。

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