2017/04/27

読書の方法から聞き方を考える(1)

本を読むことと、話を聞くことには共通点がある。

ひとつは、どちらも情報のインプットとしての行為であることである。本を読むことも、話を聞くことも、何らかの知識や情報を得るための行為である。話すこと書くことがアウトプットとしての行為とすると、聞くこと読むことはインプットの行為であるといえる。

本を読む目的として、何らかの知識や情報を得ることが挙げられる。それは話を聞く目的にもなる。必要な情報や知識を得るためにだれかの話を聞くことがある。また、物語を楽しむために本を読むことがあり、話を聞くことがある。

理解を深めるための読書技術を述べた本に、M. J. アドラーとC. V. ドーレンが書いた『本を読む本』という本がある。そこには読書の段階として「初級読書」「点検読書」「分析読書」「シントピカル読書」という4つのレベルが紹介されている。

初級読書は、読み書きのできない子供が初歩の読み書きの技術を習得するための読書であり、ここでの問いは「その文は何を述べているか」である。点検読書とは系統立てて拾い読みをする技術で、「この本は何について書いたものであるか」を知る。分析読書は、いわゆる精読で、本をよくかんで消化すること、理解を深めることである。シントピカル読書は一つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読むことである。

これらの読書のレベルを「聞く」に応用できないだろうか。そのためには、読むことと聞くことの相違点についても確認しておかなければならない。

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