問題1-4……わからないので解答を見ます。
有限個の要素からなる体を有限体という。有限体Kがq個の要素をもてば、Kの任意の要素xは xq=xを満たすことを証明せよ(実は有限体はすべて可換であることが証明される)。
ただし、解答を見てもわかりません。
(問題1-4解答)
0を除くq-1個の要素は乗法に関して位数がq-1の群をつくる。よってx≠0のときxq-1=1。よってxq=x。x=0もこれを満たす。
「0を除くq-1個の要素は乗法に関して位数がq-1の群をつくる」はわかります。有限体Kはq個の要素をもっていて、そのなかのひとつが0。体であるため、体の定義から、0を除くq-1個の要素は乗法に関して群をなします。位数というのは群の要素の個数と考えていい。だから、「0を除くq-1個の要素は乗法に関して位数がq-1の群をつくる」はわかります。
わからないのは、次の「よってx≠0のときxq-1=1」です。そのあとの「よってxq=x。x=0もこれを満たす」は、xq-1=1が成り立てば、この式の両辺にxを掛けてxq=xが導けるし、xq=xにx=0を代入しても式は成り立ちますので理解できます。
なので、まず理解したいことは、「乗法に関して位数がq-1の群 ⇒ xq-1=1」ということです。群論を勉強すれば、このような定理が見つかるのかもしれないが、あいにくと群論の教科書といったものは手元にありません。Wikipediaとかに載っているのかもしれませんが、専門用語が多すぎて、敬遠してしまいます。
ただし、結城浩さんの『数学ガール/ガロア理論』や『数学ガール/フェルマーの最終定理』に、群や体のことがある程度載っていて、その他数学の読み物ならばちらほら手元にありますので、まずはそれらから考えられるところをまずは自分で考えてみたいと思います。
さて、問題に戻って、問題(と、解答)を理解するために、具体例から考えてみましょう。あいにくと(というか逆にラッキーなことに)有限体の例が『数学ガール/フェルマーの最終定理』に載っています。問題1-3でも触れた、素数を法とした剰余環を体と見なした有限体Fpです。有限体の種類は他にもあるのかもしれませんが、まずはわかる範囲での具体例から、問題と解答の内容について確認していきたいと思います。
なかなか先に進めませんが、少しずつ進めていきます。
ちなみに『数学ガール/ガロア理論』の「参考文献と読書案内」に、アルティンの『ガロア理論入門』の紹介が載っていたので、記しておきます。
エミール・アルティンが線型代数の理論を用いてガロア理論を再整理した数学書です。章ごとの概要や解答付きの練習問題を訳者が付記しているので自習にも向いています。また、巻末の佐武一郎による解説では、ガロア理論の要諦が数ページにまとめられています。
ついでながら、現在私がガロア理論について学んでいる本は、
- 結城浩『数学ガール/ガロア理論』(ソフトバンク クリエイティブ株式会社)
- エミール・アルティン『ガロア理論入門』(ちくま学芸文庫)
- 中村享『ガロアの群論』(講談社ブルーバックス)
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