問題1-4
有限個の要素からなる体を有限体という。有限体Kがq個の要素をもてば、Kの任意の要素xはxq=xを満たすことを証明せよ(実は有限体はすべて可換であることが証明される)。
(解答)
0を除くq-1個の要素は乗法に関して位数がq-1の群をつくる。よってx≠0のときxq-1=1。よってxq=x。x=0もこれを満たす。
F2={0, 1}
02=0F3={0, 1, 2}
12=1
03=0F5={0, 1, 2, 3, 4}
13=1
23=2 (mod 3)
05=0F7{0, 1, 2, 3, 4, 5, 6}
15=1
25=2 (mod 5)
35=3 (mod 5)
45=4 (mod 5)
07=0確かに、有限体F2、F3、F5、F7において、任意の要素xq=xを満たします。mod の性質が絡んでいるようですね。
17=1
27=2 (mod 7)
37=3 (mod 7)
47=4 (mod 7)
57=5 (mod 7)
67=6 (mod 7)
そこで、mod に関する定理とかに何かxq=xのようなものはないかと探したところ、「フェルマーの小定理」が見つかりました(参考:高校数学の美しい物語「フェルマーの小定理の証明と例題」)。
フェルマーの小定理:あ、先の要素ごとの計算、書き方まずかったですかね。mod では「=(イコール、等号)」ではなく「≡」を使います。「≡」は何と読むか知りませんが、"合同(ごうどう)"と入力して変換すると出てきます。等号(=)を使った式を等式といいますが、合同(≡)を使った式を合同式といいます。
p が素数,a が任意の自然数のとき
ap ≡ a mod p
特に p が素数で,a が p と互いに素な自然数のとき
ap−1 ≡ 1 mod p
フェルマーの小定理の証明は、参考したサイトに掲載されているので、ここでは省略。
有限体F2、F3、F5、F7について、xq=xを具体的に確認しましたが、これは 7 より大きな素数での有限体Fpにもあてはまります。
問題1-4の「有限体Kがq個の要素をもてば、Kの任意の要素xはxq=xを満たす」ということは、「有限体Kがq個の要素をもてば、Kの任意の要素xはフェルマーの小定理を満たす」とも言えそうです。
ということは、有限個の要素からなる体は、有限体Fp、つまり素数 p を法とした剰余環 Z/pZ となる、ということを言っているのかもしれません。
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