ビジネスの現場では、問題と課題は違うとよく言われる。では、問題と課題は何が違うのか。
手元の国語辞典では、それぞれ次のように載っていた。
【問題】
①答えさせるために出す、題。
②解決すべきことがら。
③議論の材料(となることがら)。
④世間の注目を集めていることがら。
⑤事情。ことがら。
⑥めんどうな事件。もめごと。
【課題】
①やるようにと相手にあたえる問題。
②解決すべき問題。
③〔スケートで〕コンパルソリー。
注目するのは、課題の「②解決すべき問題」というところである。
問題は個々人によって異なる。問題意識の違いなどとよく言われる。個人のなかでも問題は複数あるかもしれない。その複数ある問題のうち、「解決すべき問題」が「課題」である。課題には解決の意思がある。たくさんの問題があるなかで、「この問題を解決しよう」という問題が課題である。これを「問題の課題化」という。式で表すとすれば「課題=問題+意思」である。
では、問題とは何か。ビジネス書では「現状とあるべき姿のギャップである」と定義することが多い。「あるべき姿」とは、目標であったり、理想であったりする。その目標や理想、あるべき姿と、現状、現在の状況の差が「問題」である。式で表すとすれば、「問題=あるべき姿-現状」となる。
すると、問題を発見するには、「現状」と「あるべき姿」がしっかりとしていなければならない。「現状」と「あるべき姿」があやふやであれば、「問題」もあやふやとなる。
そのため、問題解決あるいは課題解決の方法で一番大切なことは、「現状把握」と「あるべき姿の具体化」である。「あるべき姿の具体化」は「目標設定」にもつながっている。問題が「現状とあるべき姿のギャップ」であるならば、「現状把握」と「あるべき姿の具体化」をすることで、問題も明確になる。
問題は複数あることがほとんどである。それは、現状やあるべき姿を明確にするには複数の言葉が必要だからである。一言で表した現状、あるいはあるべき姿はわかりやすいものではあるが、抽象的でもある。現状もあるべき姿もできるだけ具体化、さらに数値化するのが望ましい。そうなれば、さまざまな観点から現状、あるべき姿を描く必要がある。
つまり、「現状把握」→「あるべき姿の具体化」→「問題発見」→「課題抽出」というのが通常の流れであると考える。もちろん「問題発見」が最初でもいい。ただし、問題を発見したときに「現状」と「あるべき姿」もしっかりと認識することが大切である。
「課題=問題+意思」「問題=あるべき姿-現状」であるならば、「課題=(あるべき姿-現状)+意思」である。
課題を明確にするとは、「現状」「あるべき姿」「意思」を明確にすることに他ならない。
そして、「現状」のよりも「解決の意思」が大きければ大きいほど、課題は小さくなることもわかる。
0 件のコメント:
コメントを投稿