2019/11/30

【定理3・4】行列の階数

エミール・アルティン『ガロア理論入門』第1章第4節の続き。

まずは、定理3について。
定理3 体Kの要素のn個の組全体がつくる行(あるいは列)ベクトル空間Knは、K上の次元nのベクトル空間である。
証明は省略。

続いて、行列と階数についての定義。
体Kの要素を次のように長方形状に並べたものを行列という。
(行列の図略)
1つの行列において、この行列を構成する行ベクトル(ai1, ai2, …, ain)の中で線形独立なものの最大個数を左行階数という。ただし、行ベクトルに対する体の要素の積を左側から行なうものとする。これを右側から行なうものとするとき、右行階数を定義できるし、同様に左、右の列階数を定義することができる。
定理4 任意の行列において、右列階数は左行階数に等しく、左列階数は右行階数に等しい。体が可換のときは、4つの数は互いに等しく、これをこの行列の階数と名づける。
このあと、定理4の証明が続いているが、ここには書かない。

行列については、あまり理解していない。

少し先の第6節では行列式を取り扱っているが、「ここで述べる行列式の理論は、ガロアの理論の中では必要ではない。この部分を省略して先へ進んでも構わない」とあるので、いまのところ、行列に関することは定義と定理を確認するにとどめておく。

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