2019/11/19

次元、生成系

エミール・アルティン『ガロア理論入門』では、線形従属と線形独立の説明に次いで、次元の説明が述べられる。
V の中で線形独立なベクトルの最大個数を、体K 上のベクトル空間V の次元という。すなわち、まず V の中に任意個数の線形独立なベクトルが存在するならば次元は無限大である。これに対して V の中に n個の線形独立なベクトルが存在し、n個より多くのベクトルは必ず線形従属になっているとき、V の次元は n である。
(体K 上のベクトル空間V の)次元とは、V の中で線型独立なベクトルの最大個数である。

結城浩『数学ガール/ガロア理論』では、次元について、次のように書いている。
 次元とは何か。
まず、線型空間の任意の点を線型結合で一意に表せるベクトルの集合のことを、その線型空間の基底と呼ぶ。
そして、《基底の要素数》のことを次元と呼ぶ。
さらに、線型空間の任意の点を線型結合で表すのに《必要にして十分なベクトルの個数》が次元であるといってよい。
 線型空間の任意の点を一意に表したい。そのために必要にして十分なベクトルの集合、これが基底だ。任意の点を一意に表すことから、基底は《線型空間全体を張る最小のベクトルの集合》であり、なおかつ《線型独立になる最大のベクトルの集合》ということも示せる。最小・最大というのは要素数の話だ。そして、基底の選び方は一通りとは限らないけれど、基底をどう選んだとしても、その要素数は変わらない――不変だ。
『ガロア理論入門』の方では、基底については書かれていないが、同じことを述べている。

『ガロア理論入門』は、次元の説明のあと、生成系の話となる。
V の要素の列 a1, a2, …, am が V の生成系であるとは、V の任意の要素 a が K の適当な要素 ai, i=1, 2, …, m を用いて a1, a2, …, am の線型和 a=Σ [i=1..m] aiai とできることをいう。(引用者注:線型和の式をテキスト文字での表現にしています。)
自分への確認も込めて。Σは i=1 から m までの和のことなので、以下のことだ。
Σ [i=1..m] aiai=a1a1+a2a2+…+amam

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