体K において mn個の要素文字が多い……。が、怖気づいてはいけない(と、自分に言い聞かせる)。
aij、 i=1, 2, …, m、 j=1, 2, …, nが与えられたとき、次の連立方程式の K における解xiを考える。
a11x1+a12x2+…+a1nxn=0このように右辺が 0 の連立方程式を同次線形連立方程式という。x1=0, …, xn=0 は解であり、これを自明な解といい、x1, x2, …, xn の中に 0 でないものが存在するとき、この解を非自明な解という。
a21x1+a22x2+…+a2nxn=0
…
am1x1+am2x2+…+amnxn=0
同次線形連立方程式という言葉は、この本で初めて見た。学校の授業では学んでいない(と思う)。同次線形連立方程式の「同次」とは、未知数の次数が同じという意味かと思ったが、のちに「非同次線形連立方程式」というのが出てきて、そのときの未知数の次数も同じであったので、違うようだ。同次線形連立方程式と非同次線形連立方程式の違いは、上にも書かれている通り、右辺が 0 であるか、0 でないかの違いだった。
「同次」の意味はちょっと飛ばして、「線形」は、線形代数や線形空間の線形であろう。非常にざっくりとしたイメージだが、線形は足し算というイメージがある。複素数を a+bi と表現したり、ベクトルを aa+ab で表現したりするが、このような形を線形結合と呼んだりする。
そして「連立方程式」は、方程式が連立しているもの。上の同次線形連立方程式は、一般化されているので文字が多い。それだけだ(と、自分に言い聞かせる)。
m は方程式の数、n は未知数の数を表しているといえるだろう。aij の添字のi は何番目の方程式か、j はその方程式の何番目の項か(どの未知数の係数か)を表している。
ともかく、このような形の連立方程式を同次線形連立方程式という。
そして、同次線形連立方程式では、x1=0, …, xn=0 は自明な解であり、x1, x2, …, xn の中に 0 でないものが存在するとき、その解を非自明な解という。
いきなり一般化された形で説明されても、これまでにしっかりと数学を学んできた人にはわかるのだろうが、なかなかイメージできない。なので、わかる範囲での具体例を挙げて確認してみよう。例に挙げるのは、(たしか)中学校で習った連立方程式だ。
親しみのある連立方程式は、2つの未知数 x, y を使った、2つの方程式を並べたものだ。{(中括弧)で2つの方程式をくくらなければならないのかもしれないが、ブログで書くのは面倒くさそうだし、上の同次線形連立方程式もくくっていないので、なしとする。適当に例を作って、
x+2y=0の連立方程式で考えてみる。
3x+4y=0
なるほど、自明な解というのがよくわかる。(x, y)=(0, 0)というのは、2つの方程式の右辺が 0 であることより明らかだ。だから自明な解なのか。
一方、非自明な解というのはどうか。実際にこの例の連立方程式を解くと、解は(x, y)=(0, 0) しか存在しないので、この例では非自明な解は存在しないといえる。
では、非自明な解が存在するときはどんなときだろう。
話は飛ぶが、連立方程式の解は、それぞれの方程式を1次関数の直線と見なしたときに、2直線の交点と見ることができることを学んだとき、ちょっとした感動だった。ここで例に挙げた連立方程式は、原点(0, 0)で交わる直線と見ることができる。
そう思ってあらためて方程式を見ると、ax+by=0 という形は、y=(a/b)x (ただし b≠0 のとき)と式変形できて、原点を通る直線であると見なせる。とすると、このような形の連立方程式で非自明な解があるとすれば、
x+2y=0のような連立方程式である。
2x+4y=0
見た瞬間にわかるように、1つめの式の両辺を2倍したものが2つめの式であり、両者は同じものを指している。こういったとき解は「不定」だったか。幾何のイメージにたよってしまうが、直線上の点はすべて解になる。
同次線形連立方程式における非自明な解とは、このような解ではないか、と想像しながら、次に進んでいく。
0 件のコメント:
コメントを投稿