デイヴィット・S・キダー&ノア・D・オッペンハイム、小林朋則(訳)
『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』からテーマをいただき、
毎日更新中。
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ヘミングウェイの小説は読んだことがない。
ヘミングウェイの小説として有名なものは、『日はまた昇る』(1926)、『武器よさらば』(1929)、『誰がために鐘はなる』(1940)、『老人と海』(1952)などがある。
『世界の教養365』には、「反復を多用しつつ、無駄を削り落として、男らしさを前面に出し、単純そうな見掛けの裏に真意を隠す散文体を完成させた。」とあった。
興味を引いたのは、ページ下部の豆知識欄で、「毎年「イミテーション・ヘミングウェイ・コンテスト」が開かれていて、特徴的なヘミングウェイの文体にパロディという形で敬意を表した作品が数百点集まる」と書かれていたこと、そして、過去の受賞作に『老人と蚤』や『誰がために金はうなる』というものがあると書かれていたことである。
日本語で『老人と海』→『老人と蚤』、『誰がために鐘はなる』→『誰がために金はうなる』と対応させているが、英語ではどうなのだろうか。
気になったので調べてみた。
まずは、ヘミングウェイの小説タイトルの原題。
『老人と海』 The Old Man and the Sea
『誰がために鐘はなる』 For Whom the Bell Tolls
つぎに、イミテーション・ヘミングウェイ・コンテストだが、英語版Wikipediaに「International Imitation Hemingway Competition」の項目があった。そこに、2002年のWinnerとして"The Old Man and the Flea"があることが書かれていた。これが『老人と蚤』だろう。『誰がために金はうなる』に対応しそうなものはWikipediaにはなかった。
しばらくWebを探してみたところ、2001年から2005年のイミテーション・ヘミングウェイ・コンテストの受賞作が掲載されているサイトをみつけた。
2001年のfirst runner-upに、"Dead Com or For Whom the Cash Flows"とある。これがおそらく『誰がために金はうなる』だろうが、英語タイトル前半の「Dead Com」というのがしっかりとはわからなかった("コンピュータが死んだ、もしくは、誰かために金が流れる"という意味だろうか?)。2002年受賞作には"The Old Man and the Flea"もある。
どちらも本文は読んていない。
ちなみに、イミテーション・ヘミングウェイ・コンテストは、2005年で終了した模様。『世界の教養365』の原本(原題:The Intellectual Devotional)は2006年の出版で、日本語の翻訳は2018年なので、「毎年」開催されていると書かれていても、いたしかたなしか。
2019/02/12
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