2019/02/05

『薔薇の名前』下巻目次

薔薇の名前 *下巻目次* (上巻目次はこちら

第四日
讃課 ウィリアムとセヴェリーノがベレンガーリオの死体を調べてみると、舌が黒くなっている。溺死者にしては解せない反応だ。それから二人の話は毒物のことになり、遠い以前に起こった盗難事件が話題になる
一時課 ウィリアムはまずサルヴァトーレに、ついで厨房係に、曰く付きの過去を、それぞれに白状させる。盗まれたレンズをセヴェリーノが見つけ出し、新しいレンズをニコーラが持ってきたので、ウィリアムは六個の目玉でヴェナンツィオの書き残した紙片の解明に取りかかる
三時課 アドソが愛に苦しみ悶ていると、ウィリアムがヴェナンツィオの紙片を持ってやって来る。謎を解いたあとにも、なお謎めいたものとしてそれは残る
六時課 アドソが松露を探しに行くと、小さき兄弟会士の一行が到着する。彼らはしばらくのあいだウィリアムやウベルティーノと話しあっていたが、ヨハネス二十二世をめぐるまことに憂うべき事態が明らかになる
九時課 ポッジェットの枢機卿、ベルナール・ギー、その他アヴィニョンの一行が到着し、その後は各人が思い思いに行動する
晩課 アリナルドがどうやら貴重な情報をもたらしてくれる。ウィリアムは一連の試行錯誤の後に、真実と思われるものへ達するための独自の方法を明らかにする
終課 サルヴァトーレが不思議な魔術について語る
終課の後 ふたたび迷宮に入りこみ、<アフリカノ果テ> の敷居に達するが、四つのうちの第一と第七が何であるのかわからないため入れない。そして最後にアドソが、今度は非常に学問的な形ではあったが、愛の病のなかへまたしても倒れこむ
深夜課 サルヴァトーレが惨めにもベルナール・ギーに見つけ出され、アドソの愛する娘は魔女として捕えられて、誰もがいっそう滅入った落着かない気持で眠りにつく

第五日
一時課 キリストの清貧をめぐって忌憚のない意見が交わされる
三時課 セヴェリーノが奇妙な書物のことをウィリアムに告げ、ウィリアムは世俗権力をめぐる奇妙な考え方を双方の使節団に語る
六時課 セヴェリーノが惨殺死体で発見され、彼が見つけたはずの書物はもう見当たらない
九時課 審問が行なわれ、間違っているのはすべての人間ではないかという混乱した印象を抱く
晩課 ウベルティーノが逃亡し、ベンチョが僧院の規則を守りはじめ、ウィリアムはこの日に巡り合った様ざまな型の欲望について考察を加える
終課 反キリスト到来の説教に一同が聞き入り、アドソは名前の持つ力を発見する

第六日
朝課 <坐セリ> 王侯たちはと歌声の流れるなかで、マラキーアが床に倒れる
讃課 厨房係は新たに選び出されるが、文書館長は新たに選任されない
一時課 地下聖堂の宝物庫を訪ねているうちに、ニコーラが多くのことを物語る
三時課 死者のミサ「ディエス・イレ〔怒りの日〕」を聞きながら、アドソが夢もしくは幻とでも呼ぶべきものを見る
三時課の後 ウィリアムがアドソの見た夢の謂れを解き明かす
六時課 歴代文書館長の人脈を辿り返すうちに、謎の書物についても新たな情報を得る
九時課 僧院長はウィリアムの話に耳を貸そうとせずに、宝石の言語について語り、あの痛ましい一連の事件にはもう立ち入らないでよいと言明する
晩課と終課のあいだ 長びいた混乱状態が手短に物語られる
終課の後 ほとんど偶然に、ウィリアムが <アフリカノ果テ> に入る秘密を発見する

第七日
深夜課 ここで暴露された驚くべき秘密の物語を要約しようと思えば、この小見出しは章全体の長さにも等しくなりかねない。だが、それでは従来の慣習に反してしまう
深夜課 世界燃焼が生じて、徳が満ちあふれたために、地獄の力が勝利を収める

最後の紙片

解説 河島英昭

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