「電話は終わっているんですけど…」
オペレーターさんが相談にやってきました。
どうやら処理方法の相談のようです。
内容を確認すると、次のようなことでした。
先日申し込みをしたはずなのに商品が届いていない、との連絡があり、確認をすると申し込み手続き自体ができていなかった。必要事項を伺って、改めて申し込み手続きをしたが、お客様は商品を待っている様子。通常のお届け日の案内で了承をもらえているが、通常通りの処理でいいかどうか。
通常の手続きでも、お客様に了承はいただいているため、通常通りの処理でも間違いではありません。ただ、そのオペレーターは、通常通りの処理ではなく、早くお届けする方法も知っていたので、どちらの処理にしようか迷って私のところに来ました。
私は迷わず、早くお届けする方法の方がいいことを伝えました。
オペレーターが自分の席に帰っていくのを見ながら、少し考えました。
「迷うようなことはないのではないか」と。
しかし、それと同時に、違うことも考えました。
「なぜ、迷っていたのだろう?」と。
通常の申し込みならば、通常通り処理することで迷うことはなかったと思います。また、実際に申し込みをしているのに何らかの事情でお届けできていなかったりしても迷わなかったと思います。
しかし、今回は「申し込みをしたはずだが届かない」と言われていて、実際に手続きをされたのかされなかったのか、お客さんに非があったのか、こちら側に非があったのかわからない状態でした。グレーゾーンです。
お客様の立場に立てば、もちろん早くお届けした方がいい。しかし、こちら側の視点では、早くお届けするには手間もコストもかかります。「まだ、顧客視点の対応が身に付いていないのかな」とも思いました。
しかし、迷っていたということは、顧客視点でも会社視点でも考えていた、ということです。まあ、手続きが面倒になる、という自分視点もあったのかもしれませんが。ただ、顧客視点を無視していたわけではありません。
また、その他の可能性として、「こんな連絡があった」ということを私に知らせたかったのかもしれません。通常の処理をするにせよ、特別な処理をするにせよ、自分一人で手続きをしてしまうと、このような連絡があったということが埋もれてしまいます。処理の履歴を見ればどういった内容で特別な処理をしたのかはわかりますが、基本的には次に連絡があったときに確認できるくらいです。特別な処理をしたからといって、私のところに連絡が来るわけではありません。
自分自身で判断できるようになってほしいと思う反面、全てを自分自身でされてしまうとそのオペレーターの知識やスキルの状態がわからなくなります。自立はうれしいことですが、自分勝手は困ります。
相談に来てくれるオペレーターさんは、それがたとえすぐに回答できるような質問や相談であっても大切なものなのです。
周りでときどき、「前にも言ったよね」とか「そんなこともわからないの」といった声を聞いてしまうときがあります。悪気があって言っているわけではなく、その人に期待しているから出てくる言葉なのですが、つい出てしまうようです。特に忙しくなってくると…。なくしていきたい言葉ではありますが、なかなか無くなりません。
2011/01/20
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