ところが、柳瀬さんの『英語遊び』を読み、清水義範さんの文庫解説を読むと、アクロスティックではないが、「柳瀬買い」が使われていた。「使われていた」と書いたけれども、使ったのはこちら(私)である。(以下の引用文の太字部分は、実際は太字ではなく傍点がふってある。)
こういう怪人を見て、こういう怪書を読んでしまえば、私がかつて『船が洲を上へ行く』という短編の中にこっそりとしのばせておいた言葉遊びを、もう一度やりたくなるのである。「英語に弱い人間にはこの世はやな世界だけれど、こんなに楽しい文庫本が出てしまったからには、だんぜん柳瀬買いである」
もともと「船が洲を上に行く」で使われていた箇所も、「やな世界」という言葉を文字って「柳瀬買い」と書いていて、清水さんが文庫解説を書いているのは知っていたので、解説のなかで「柳瀬買い」を使うことは予想できたはずなのに、予想しなかった自分が悪い。いや、悪くはないが、決まりが悪い。
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