2020/07/16

金田一春彦『ことばの歳時記』

まだ全部は読んでいない。1月1日から12月31日までの365日分、365語(+α)の項目が載っているので、当日部分を中心に少しずつ読んでいる。1語につき1頁ほどの文量だ。

本日7月15日の項目は「そうめん」。夏の食の代表的なもののひとつである。しかし「ことばの歳時記」であるので、食べ物の「そうめん」のことというよりは、「そうめん」という言葉についての内容である。

「そうめん」は、漢字で「素麺」と書くが、もともとは「索麺」と書いていた。誰かが「索麺」を「素麺」と書き間違えたところ、それが広まったということが書かれていた。今の観点から見ていることも関係しているかもしれないが、「素の麺」というのは「そうめん」にふさわしい漢字がする。

「そうめん」に関することはこれだけだが、その他、下記誤った漢字が現在も使われている例が3つ書かれていた。「有職(ユウソク)」「一丁字(イッテイジ)」「不入斗(イリヤマズ。地名)」。


【書名】 ことばの歳時記
【著者】 金田一春彦
【出版社】 新潮社(新潮文庫)
【発行年月日】 1973(S48)/8/30
(1965年1月から12月まで、東京新聞と中部日本新聞の夕刊に「ことば歳時記」として書かれたもの。翌年1966年に文藝春秋より『ことばの博物誌』と題して単行本として出版。文庫化の際、『ことばの歳時記』に改題)
【内容】(カバー裏表紙より)
移りかわる日本の美しい四季折々にふれ、ある日は遠く万葉の時代を回顧し、ある日は楚々とした野辺の草木に想いをはせ、ある日は私達が日常生活の中で何げなく使っている言葉の真意と由来を平易明快に説明する――。著者のユニークな発想と深い学識によって捉えられ選ばれた日本語の一語一語が、所を得てみずみずしく躍動し、広い視野と豊かな教養をはぐくむ異色歳時記である。

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