2012/03/29

為政第二・3「子曰、道之以政、~」

いつまで続くかわかりませんが、『論語』についての記事を書くペースを上げていきます。

本日は、為政篇の3つ目。
子曰く、之を道くに政を以てし、之を斉うるに刑を以てすれば、民免れて恥無し。之を道くに徳を以てし、之を斉うるに礼を以てすれば、恥有りて且つ格し。

大まかな意味としては、「法制や刑罰のみで民衆を導いたりまとめたりしようとすると、民衆は規制されていなければ恥じることはない。しかし、徳や礼で導いたりまとめたりすると、己の身を恥じ正しくなる」ということです。


例えていえば、ここでいう「政」や「刑」は権限のようなもの。

ここから先はやってはいけない、でもここまではやってもいい、という境界線みたいなものです。

「政」や「刑」のみだと、やってはいけないことをやらなければ大丈夫、となってしまう可能性があります。


一方、「徳」や「礼」は理念や指針のようなもの。

このようにやっていこうという中心線のようなものです。

「徳」や「礼」があることで、そこから外れてしまった、という意識が芽生える。


私は電話窓口でスーパーバイザーの仕事をしていますが、オペレーターからたまに「ここまではやっていいという基準を明確にしてほしい」と言われることがあります。

しかしそれは「政」や「刑」を設けること。

「徳」や「礼」で以て説明していきたいところです。


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