2010/12/26

分解する

ロジカル・シンキングでのポイントのひとつに「分解する」ということが挙げられます。

大きな問題でも小さく分ける(分解する)ことで、解決への具体策が見えてきたり、今まで見えていなかった事柄にも目を向けることができるからです。

コールセンターの指標のひとつに「応答率」というものがあります。
「応答率」とは、着信した件数の中で応答した件数したの割合がどのくらいか、を見る指標です。

電話がなったとしても、全てを取りきることができるとは限りません。
一時的に集中して電話がなったりすると、その電話を取るオペレーターが全員話し中であったりすることがあるからです。

皆さんも、どこかのコールセンターに電話をかけたとき、「ただいま混み合っておりますので少々お待ちください」等のアナウンスを聞いたことがあるかと思います。もちろん待っていただければ、オペレーターが電話を終えて次の電話を取ることができますが、待ち時間が長くなってしまうと、途中で電話を切ってしまったりもします。

電話がつながったのに、オペレーターと話をする前に切れてしまった電話を「放棄呼」と呼んでいます。着信した電話は「着信呼」、応答した電話は「応答呼」です。
そして「着信呼」「応答呼」「放棄呼」の件数をそれぞれ「着信件数」「応答件数」「放棄件数」と呼んでいます。

「応答率」は、着信件数のなかで応答した件数の割合ですので、応答率が高いほど電話がつながりやすく、お客様をお待たせしていない、という指標です。そのためコールセンターでは、常に応答率を気にして、そしてできるだけ応答率を高めようとしています。

では、応答率を高めるためには、どのようなことをすればいいでしょうか?

それを考える切り口となるのが、「分解する」作業です。

応答率とは、着信件数の中で応答した件数の割合ですので、式を立てると以下のようになります。
応答率=応答件数÷着信件数
言い換えると、「応答率」は「着信件数」と「応答件数」で構成されています。

ここから、応答率を高める方法を考えるとすると、2つの方向が見えてきます。ひとつは「応答件数を増やす」こと。もうひとつは「着信件数を減らす」ことです。

「応答件数を増やす」ことも、さらに分解することができます。例えば「オペレーターの人数を増やす」「電話1本あたりにかかる時間を減らす」など。
「着信件数を減らす」ことも、分解できます。「単純な手続きは電話以外で対応する」「クレーム電話を減らす」など。

コールセンターで応答率を高めようとする場合、ともすれば「応答件数を増やす」ことにしか目を向けず、いたずらにオペレーターの数を増やしたり、オペレーターに「早く早く」と急かしてしまったりすることがあります。

応答率を高めるためには、「着信件数を減らす」という視点も必要です。

通常、応答件数を増やすことへの対策の方が、実行しやすく効果もすぐに現れます。
しかし、例えば、毎日、「不調不良品の電話がたくさんかかってくる」というコールセンターならばどうでしょう?当然のことながら、不調不良品を少なくすれば、それだけ着信件数も少なくなります。
今のオペレーターの人数でも対応できる可能性もあります。

そんなときにオペレーターの人数を増やしたり、「早く電話を取って」と急かしたりしても、何の解決にもなっていません。

ロジカルシンキングとは、切り口や手段、あるいは視点を発見するための考え方でもあります。

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