2019/08/10

不動点パズル03:随伴(問4の解答)

(前回はこちら

アーニーの機械は記号列を操作する機械で、ある記号列 x を入力すると、ある記号列 y をもたらす。いま、機械には2つの規則がある。2つの規則、規則Qと規則Cをあらためて見ておこう(「→」は「もたらす」を表す。前回参照)。
規則Q Qx → x
(任意の記号列 x に対して、記号列 Qx は x をもたらす)
規則C x → yならば、Cx → yQy
(x が y をもたらすならば、Cx は y の随伴 yQy をもたらす)
問題は以下の4問で、前回は問1~3について解答した。今回は問4を解いていく。

問1 それ自身をもたらすような記号列を見つけよ。
問2 それ自身の随伴をもたらすような記号列を見つけよ。
問3 それ自身の随伴の随伴をもたらすような記号列を見つけよ。
問4 任意の記号列 y に対して、ある記号列 x で、yx をもたらすようなものが存在することを証明せよ。たとえば、どのような x が Ax をもたらすだろうか。

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問4 任意の記号列 y に対して、ある記号列 x で、yx をもたらすようなものが存在することを証明せよ。たとえば、どのような x が Ax をもたらすだろうか。

(解答)
まずは、どのような x が Ax をもたらすかを考えよう。
x → Ax ・・・・・①
となるような記号列 x を探す。
x は、Cからはじまる記号列(QからはじまってもAxとはならない)なので、x = Cx1 とすると、①は、
Cx1 → ACx1 ・・・・・①’
となる。
規則Cでは随伴をもたらすが、①’にはQの文字がない。そこで、x1 = Qx2 とすると、①’は、
CQx2 → ACQx2 ・・・・・①’
となる。このとき、規則Cの条件より、
Qx2 → AC
でなければならない。したがって、x2 = AC となり、
x = Cx1 = CQx2 = CQAC
∴CQAC は ACQAC をもたらす。

CQAC→ACQAC であるので、Aの部分を任意の記号列 y に変更した記号列 CQyC について考えると、規則Cより、
QyC → yC であるので、CQyC → yCQyC
が成り立つ。任意の記号列 y に対して、yCQyCをもたらす記号列 CQyC が存在する(CQyC を x とすると、yCQyC は yx )。

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問1~4でわかったことをまとめておく。
規則CQ CQx → xQx( x の随伴)
(任意の記号列 x に対して、記号列 CQx は x の随伴 xQx をもたらす)
CQC は、それ自身をもたらす

規則CCQ CCQx → xQxQxQx( x の随伴の随伴)
(任意の記号列 x に対して、記号列 CCQx は x の随伴の随伴をもたらす) 
CCQCC は、それ自身の随伴をもたらす

規則CCCQ CCCQx → xQxQxQxQxQxQxQx( x の随伴の随伴の随伴)
(任意の記号列 x に対して、記号列 CCCQx は x の随伴の随伴の随伴をもたらす)
CCCQCCC は、それ自身の随伴の随伴をもたらす

規則CQ-C CQyC → yCQyC
(任意の記号列 y に対して、記号列 CQyC は yCQyC をもたらす)

つづく

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