「オイラーの公式」の証明についてのツイートです。
夜遅かったので、後でツギャッターにまとめよう思いましたが、今日確認すると既にまとめがありましたので、まずは、こちらを貼り付け。
ところで、「オイラーの公式」について、私は名前だけ知っているという知識…。
「オイラー」も、「オイラーの公式」も、名前だけ知っているという知識です。
あ、『数学ガール』には出てたかも。
そこで、「オイラーの公式」について調べてみました。
そして、上記ツギャッターの「オイラーの公式」の証明を詳しく見ていきたいと思います。
以下、高校文系数学までの知識しかない私がまとめたものですので、誤り等あるかもしれません。
その点、ご容赦お願いします。
■前提として
「オイラーの公式」はWikipedia「オイラーの公式」によると、以下の公式です。
eiθ = cosθ + i sinθ
ここで「e」は「自然対数の底」と呼ばれるもの、「i」は虚数、「θ」は角度、「sin」「cos」は三角関数の記号です。
虚数や三角関数は高校で習った記憶がありますが、「自然対数の底e」は、これも名前のみしか知りません。
たしか微分しても同じになるような性質があったように思います。
「対数」も習ったと思いますが、うろ覚えです…。「log」という記号を使ったのは覚えていますが…。
しかし、証明の流れは確認できるかと思いますので、先述のPoyo_Fさんのツイートを順に追っていきたいと思います。
必要があれば、立ち止まりながら。
■Poyo_Fさんのツイートより
ある人から聞かれたんだけど、オイラーの公式の証明を、三角関数や微分を経由せずに行うのはとても難しい。たまに考えてみるが、ついこれらを使ってしまう。ちなみに、三角関数と微分を前提にすれば例えば、以下のようになる。 #オイラー http://t.co/T6J6yQa
ある人から聞かれたんだけど、オイラーの公式の証明を、三角関数や微分を経由せずに行うのはとても難しい。たまに考えてみるが、ついこれらを使ってしまう。ちなみに、三角関数と微分を前提にすれば例えば、以下のようになる。
ここは、導入部分ですね。
ツイート内にあるリンクは、「オイラーの公式」が書かれた画像です。
忘れないように、「オイラーの公式」をここにも書いておきます。
eiθ = cosθ + i sinθ
角Aの回転操作をR(A)と書く。Bだけ回転させた後、角Aの回転をする事はA+Bの回転操作と同じだからR(A)R(B)=R(A+B)。これは指数法則(R^A)(R^B)=R^(A+B)と似ている。いっそR(A)=R^Aと書く。 #オイラー http://t.co/nEX2N3L
角Aの回転操作をR(A)と書く。Bだけ回転させた後、角Aの回転をする事はA+Bの回転操作と同じだからR(A)R(B)=R(A+B)。これは指数法則(R^A)(R^B)=R^(A+B)と似ている。いっそR(A)=R^Aと書く。
まずは、定義の話です。
「角Aの回転操作をR(A)と書く。」というのは、表記上のこと。
例えば、90°回転させることをR(90°)と書こう、というものです。
Rは単なる記号ですが、ツイート内の写真を見るに「rad」という表記が見えるので、おそらくラジアン(radian)から来たものと思われます。
余談ですが、角度の表記の方法には、「90°」というような表記の「度数法」と、弧の長さを利用した「π/2」のような「弧度法」があります。
ラジアンは「弧度」ですので、弧度法の表記で進めていくということも意味しています。
次の「Bだけ回転させた後、角Aの回転をする事はA+Bの回転操作と同じだからR(A)R(B)=R(A+B)。」は、回転操作の計算式の表記について。
例えば、90°だけ回転させた後、さらに45°回転させることは、135°(=90°+45°)の回転操作と同じになるので、R(90°)R(45°)=R(90°+45°)と書こうということですね。
そこで、「これは指数法則(R^A)(R^B)=R^(A+B)と似ている。」として、最初は「角Aの回転操作をR(A)と書く。」としていましたが、「いっそR(A)=R^Aと書く。」としました。
つまり、角Aの回転操作をRAと書く、と定義し直したわけです。
指数がテキスト表記で表現されているので補足しておくと、指数法則(R^A)(R^B)=R^(A+B)は、「RARB = RA+B」という法則です。
数字の1は、数直線上の1だけれども、その数直線が2次元平面のx軸だったとして1=(1,0)と表現する。例えば、-1=(-1,0)と書ける。 #オイラー http://t.co/6yHwEee
数字の1は、数直線上の1だけれども、その数直線が2次元平面のx軸だったとして1=(1,0)と表現する。例えば、-1=(-1,0)と書ける。
さて、少し話が変わってもう一つの定義、道具の導入です。
2次元座標が導入されます。
横軸(一般的にはx軸)に実数の数直線をとると、数字の1は1=(1,0)、-1は-1=(-1,0)と表記できるというものです。
ここから先は、ツイート内の図を見ながらの方がわかりやすいですね。
2次元平面上の座標(1,0)は、π/2ラジアンの回転で(0,1)になる。R^(π/2)の操作を掛け算で表現することにすると、(1,0)=1だったから、(0,1)=R^(π/2)×(1,0)=R^(π/2)×1=R^(π/2) #オイラー
2次元平面上の座標(1,0)は、π/2ラジアンの回転で(0,1)になる。R^(π/2)の操作を掛け算で表現することにすると、(1,0)=1だったから、(0,1)=R^(π/2)×(1,0)=R^(π/2)×1=R^(π/2)
さて、この2次元座標において、「座標(1,0)は、π/2ラジアンの回転で(0,1)になる。」
つまり、座標(1,0)を、π/2ラジアン(=90°)回転させた座標は(0,1)となります。
式で表記すると、
(1,0)×Rπ/2 = (0,1)
(1,0) = 1 のことなので、上記の式にあてはめると、(0,1) = Rπ/2 となります。
(-1,0)は、(1,0)、すなわち1をπラジアンだけ回転したものだから、-1=R^π×(1,0)=R^π×1=R^πとなる。一方R^π=(R^(π/2))^2=-1だから、(0,1)=R^(π/2)=iだ。 #オイラー http://t.co/26mpDye
(-1,0)は、(1,0)、すなわち1をπラジアンだけ回転したものだから、-1=R^π×(1,0)=R^π×1=R^πとなる。一方R^π=(R^(π/2))^2=-1だから、(0,1)=R^(π/2)=iだ。
まず、「(-1,0)は、(1,0)、すなわち1をπラジアンだけ回転したものだから、-1=R^π×(1,0)=R^π×1=R^πとなる。」
「(-1,0)は、(1,0)、すなわち1をπラジアンだけ回転したもの」というのは、式で書くと
(-1,0) = (1,0)×Rπ
(-1,0)というのは-1のことで、(1,0)というのは1のことなので、「-1=Rπ」ともいえるということです。
ここで、「Rπ」というのは弧度法でのπ、つまり180°回転させるという意味です。
ということは、まず90°回転させた後、さらに90°回転させたことと同じ。
つまり、「Rπ = Rπ/2 × Rπ/2 = (Rπ/2)2」です。
「Rπ = -1」なので、
Rπ = -1
(Rπ/2)2 = -1
Rπ/2 = i
「i」は「虚数」を表す記号です。
虚数iというのは、2乗すると-1となる便宜上の数字(?)です。
ひとつ前のツイートの、「(0,1) = Rπ/2」より、「(0,1) = i」といえます。
これまでの議論で、(1,0)=1、(0,1)=iであることが分かった。従って、任意の座標は、(x,y)=x・(1,0)+y・(0,1)=x+yiと書ける。 #オイラー http://t.co/U4IXrfW
これまでの議論で、(1,0)=1、(0,1)=iであることが分かった。従って、任意の座標は、(x,y)=x・(1,0)+y・(0,1)=x+yiと書ける。
ここが説明の難しいところです。
概念的にはわかるのですが、言葉でうまく説明できるか。
今まで、実数をx軸として2次元平面の座標を考えて説明がされていましたが、y軸については何も説明がありませんでした。
この2次元平面でのy軸は何を表わすのか?
このヒントが、先のツイートの「(0,1) = i」です。
(0,1)という座標はiと表現できる。
ということは、y軸は虚数軸で、導入された2次元平面の任意の座標は、複素数として表現できる。
つまり、「(x,y)=x・(1,0)+y・(0,1)=x+yiと書ける。」
(x,y)=x+yiと書けるなら、(1,0)を角θだけ回転させた点(cosθ,sinθ)は、cosθ+(sinθ)iと書ける。この点はR^θ×(1,0)=R^θなので、R^θ=cosθ+(sinθ)iと書ける事が分かる。(1,0)=1なので(1,0)が消えた。 #オイラー
(x,y)=x+yiと書けるなら、(1,0)を角θだけ回転させた点(cosθ,sinθ)は、cosθ+(sinθ)iと書ける。この点はR^θ×(1,0)=R^θなので、R^θ=cosθ+(sinθ)iと書ける事が分かる。(1,0)=1なので(1,0)が消えた。
『数学ガール』では、このような2次元平面を「複素平面」と呼んでいました。
複素平面上で単位円を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
下の図は、Wikipedia「オイラーの公式」にあった図です。
「(1,0)を角θだけ回転させた点(cosθ,sinθ)」つまり、単位円上の点(cosθ,sinθ)は、複素数の表現を用いて「cosθ+(sinθ)iと書ける。」
つまり、「R^θ=cosθ+(sinθ)iと書ける」。
R^θ=cosθ+(sinθ)iの両辺をθで微分すると、(ln R)R^θ=-sinθ+(cosθ)i=i{i(sinθ)+cosθ}=iR^θなので、ln R=i。但し、「ln」というのは、自然対数の底eを底とするlogの事。 #オイラー
R^θ=cosθ+(sinθ)iの両辺をθで微分すると、(ln R)R^θ=-sinθ+(cosθ)i=i{i(sinθ)+cosθ}=iR^θなので、ln R=i。但し、「ln」というのは、自然対数の底eを底とするlogの事。
さて、「微分」です。忘れてしまっています…。
まず左辺の微分、つまりR^θ(=Rθ)の微分を考えてみましょう。
ここではθで微分しています。
しかし実は、指数関数の微分については詳しく知らないのです…。
そこで、「指数関数 微分」でググった結果からでてきたサイトを確認します。
KIT数学ナビゲーション「指数関数の微分」
このサイトのaxに、R^θ=cosθ+(sinθ)iの左辺Rθをあてはめて考えます。
(左辺)’「logR」を「ln R」と表記すると、「(ln R)R^θ」となりました。
= (Rθ)'
= (elogRθ)'
= (eθlogR)'
= (logR)・eθlogR
= RθlogR
さて、次は右辺について。
三角関数の微分も詳しくは知りませんが、こちらは公式を覚えております。
(sinθ)’ = cosθ
(cosθ)' = -sinθ
右辺cosθ+(sinθ)iの微分は、
(右辺)’ここで、 i { i (sinθ) + cosθ }の下線部を見ると、もともとの右辺の式(微分前の式)と同じです。
= (cosθ + (sinθ)i)'
= -sinθ + (cosθ)i
= i { i (sinθ) + cosθ }
そこで、R^θ=cosθ+(sinθ)iより、右辺を微分したものは、iR^θとなります。
話をもとに戻して、R^θ=cosθ+(sinθ)iの両辺をθで微分すると、
(ln R)R^θ = iR^θ両辺をR^θで割って、
ln R = iです。
ln R=i という事は、R=e^iという事。回転操作は結局R(θ)=R^θ=e^(iθ)と表わされる。つまり、e^(iθ)=cosθ+(sinθ)iと書ける。θ=πを代入すれば、e^(iπ)=-1になる。 #オイラー http://t.co/i2Xeay1
ln R=i という事は、R=e^iという事。回転操作は結局R(θ)=R^θ=e^(iθ)と表わされる。つまり、e^(iθ)=cosθ+(sinθ)iと書ける。θ=πを代入すれば、e^(iπ)=-1になる。
「ln R」というのは、「logR」のことですので、
ln R = i
logR = i
R = ei
回転操作R(θ)、あるいはRθは、R = eiをつかって、(ei)θ = eiθとあらわされる。
「R^θ=cosθ+(sinθ)i」なので、左辺のR^θをeiθに置き換えると、「オイラーの公式」を導くことができます。
ちなみに、ツイートの最後の文「θ=πを代入すれば、e^(iπ)=-1になる。」の「eiπ = -1」というのは、「オイラーの等式」と呼ばれているようです。