2011/04/30

読書から思い出した祖母のこと

ここ1週間ほど、京極夏彦さんの「巷説百物語シリーズ」を読み返していました。

特に理由があって読み返していたわけではなく、たまたま読むと、通して読みたくなった、という次第です。

京極さんの小説は、魅力があります。読み始めたら止まらない。

かといって、「京極堂シリーズ」は、長い。

それはさておき…。


京極さんの小説の魅力は、漢字やルビをうまく使った表現や、会話と地の文の続け方や、見た目の体裁や、物語の構成や、…色々なところに魅力を感じますが、妖怪や伝説や伝承などの薀蓄にも魅力を感じます。

特に、民間伝承や迷信・言い伝えの話の中には、私が祖母に聞いたことと似たような話があったりして、祖母のことを思い出します。

「家の蛇は殺したらダメ」とか「家のクモは殺したらダメ」とか、言っていました。なぜダメなのか、は覚えていませんが…。

無益な殺生をいさめるため、とも考えられますが、祖母は家に出てきた百足とかは平気で殺していましたし…。


で、この記事は、私が子どもの頃の思い出話です。

祖母のことを思い出すときに思い出す「巨大なウナギ」の話。

特にオチなどはありません。




実家の近所に竜王池と呼ばれる池があります。池のほとりには竜王神社があり、毎年4月の終わりごろ祭りが行なわれていました。今も行われているのかは不明です。

竜王池のことを指してか、それとも神社に祀られているご神体を指してか、近所の人はみんな「竜王様」と呼んでいました。祭りの名前は「竜王祭り」。

ちなみに、近所の人たちで結成されているソフトボールチームのチーム名は「竜王クラブ」です。これは今もあります。

竜王と名前がついているからには、おそらくは竜に関する伝承や言い伝えがあるのでしょうが、残念ながら私は知りません…。


竜王池は、少し高台にあり、近所の水田の水源池でもあります。だから、もともと存在した池だとは思うのですが、堰き止めたりして、そこから出る水の量を調節したりすることができます。

大人になってから、一度竜王池に行ったことがありますが、まあ、池です。

しかし、子どもの頃はとても大きな池でした。池の周りを一周することが、ひとつの冒険のような感じです。


竜王池は、何年かに一度、水抜きをします。

池の水がほとんど空になるまで水を抜きます。

私がその水抜きに立ち会ったのは1度だけで、小学生の頃だったと思います。

池の水位がどんどん下がっていき、普段は見ることができない池の底が出てきます。池の一番低いところには水が集まります。そしてそこには水とともに池に棲んでいる魚たちも集まります。何年かに一度、水抜きをしている割には、たくさんの魚が集まっていました。子供心にたくさんだったのかもしれませんが。鯉とか鮒とか、たくさんの魚がぴちゃぴちゃ跳ねていました。

その魚はどうするのかと言えば、近所の人が持って帰ります。鯉なんかは、観賞用に家に持ち帰り自宅の庭の池に放したり、食べる人もいたのでしょう。別のところに移して、池に水が貯まったら戻していたのかもしれませんが、詳しくは知りません。


私が立ち会ったのとは、別の水抜きのことの話です。

私の祖母が、水抜きに参加してウナギを持ち帰ってきました。

普通、よく見るウナギはどのくらいの大きさなのか、60cm~80cmくらいですかね。1mはないと思いますが。

そういった普通の大きさのウナギも数匹持ち帰ってきましたが、1匹ケタ外れに大きなウナギも持ち帰りました。

大きさを測ったことは覚えているのですが、どのくらいだったかは覚えていません。私の記憶の中ではとても大きくて、2mはゆうに超えていたような気がします。写真もひょっとしたら実家にあるかもしれません。(写真を撮っていたことは覚えています。)

子供の頃のことなので、何もかも大きく見えているのかもしれませんが、私の父は当時左官をしていて、そのときに使う道具に「フネ」というものがありました。土壁とかの材料を混ぜたり、セメントを混ぜたりする器で、子供のころの私には一人で持ち運べないくらいの大きさです。その「フネ」に水を貯めて、巨大なウナギを入れていましたが、ウナギは身体を曲げて入らなければならない大きさでした。

記憶の中での太さは、両手の指で輪をつくった位です。親指同士をくっつけ、人指し指同士をくっつけてつくった輪。

ある人は「竜王池の主ではないか」とも言っていました。竜を祀ってある竜王神社。身体が長くクネクネしていて、他のウナギよりもデカい。この巨大なウナギを竜と見立てることもできなくはありません。


そのウナギはどうしたか、というと、食べました(笑) かば焼きにして。

味は、不味かったのを覚えています。


ウナギが苦手な人(食べるのが苦手な人)は、「皮が嫌い」という人がいます。

食べた巨大ウナギは、皮が厚い…。皮だけを食べている感じです…。

また「竜王池の主を食べている」という感覚も、味覚に影響を及ぼしたかもしれません。


ちなみに祟りはありません。たぶん。今のところ。(というか、何かあったとしても、祟りのために起きたとは思っていない、という方が正しいです。)


私の祖母は、小柄な方だと思います。当時はもちろん私よりも大きかったですが、今は私よりも小さいです。

そんな祖母が巨大なウナギを捕まえて帰ってきたことが、驚きでもあり、面白くもありました。

きっと巨大ウナギと格闘したに違いありません。


今では腰が曲がってしまい、小柄な身体がさらに小柄に見えてしまいます。

そんな祖母のエピソード、思い出した時に書いておこうと思いました。

ブログ アーカイブ