東京電力「当社福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所において得られた地震観測記録について(暫定)」観測記録は以下になります。
表.東北地方太平洋沖地震において福島第一、福島第二原子力発電所で得られた地震観測記録と基準地震動Ssに対する応答値との比較
「基準地震動Ss」とは、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針で規定される、施設の耐震設計において基準とする地震動」、「基準地震動Ssに対する最大応答加速度値」とは、「耐震安全性評価において、基準地震動Ssを想定した際の建物などの揺れを加速度で評価した場合の最大値」とのことです。
2号機・3号機・5号機の東西方向で、最大応答加速度値を超えた値が観測されています。
以下は、福島第一原子力発電所の「耐震安全性評価」について、調べたことです。どんなことを想定していたのか、を知りたかったのですが、私は変な方向に走ってしまったようです。
専門ではありませんので(逃げ口上)、あしからず。
2006(H18)年9月、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」(以下、「新耐震指針」)が改訂されました。それに伴い、原子力安全・保安院が既設プラントの耐震安全性評価の実施を指示。10月に東京電力は「耐震安全性評価実施計画書」を提出しています。
東京電力「「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂を踏まえた耐震安全性評価実施計画書の提出について」この計画書では、福島第一原子力発電所の予定は、平成18年度(2006年度)に「地質調査」を実施、平成19年度から平成21年(2009年)6月までの2年強にかけて「耐震安全性」を評価する予定でした。
地質調査・耐震性向上に関しては、「新耐震指針」改訂に先立ち検討しはじめ(2006年6月2日プレスリリース)、改訂に前後して耐震性向上のための工事実施を計画しています(2006年11月24日プレスリリース)。
2007年6月に地質調査結果をプレスリリース。しかし、この年の7月に地震が発生しています。「新潟県中越沖地震」です。
この地震を踏まえ、これまでの地質調査をさらに補完し知見を拡充するため、福島第一原発でも地質調査を実施。耐震安全性評価実施計画書も見直し・再提出をしています。(2007年8月20日プレスリリース)
見直された計画では、2008年3月までに地質・地盤調査を終え中間報告、2009年6月までに耐震安全性評価を終える予定です。
そして、予定通り2008年3月のプレスリリースにて、中間報告を提出したことを知らせています。
その中間報告によると、3種類の「基準地震動Ss」を策定しています。
- 基準地震動Ss-1(最大加速度450ガル):
内陸地殻内地震・プレート間地震の評価結果を上回るように設定 - 基準地震動Ss-2(最大加速度600ガル):
海洋プレート内地震の評価結果を上回るように設定 - 基準地震動Ss-3(最大加速度450ガル):
震源を特定せず策定する地震動
基準地震動Ssを策定後、耐震安全性評価をしているのですが、その安全性評価の部分が私にはあまりわかりませんでした(地震応答解析モデル等、専門的な方法が記されているため…)。結論としては、「耐震安全性は確保されている」とのこと。
中間報告提出後も、耐震安全性の評価は続けていたようですが、原子力安全・保安院は新潟県中越沖地震を踏まえ、2008年9月に「新潟県中越沖地震を踏まえた原子力発電所等の耐震安全性評価に反映すべき事項」を事業者に通知。東京電力は最終報告書の提出を延期しています(2008年12月8日プレスリリース)。もともとの2009年6月は中間報告としています。
さて、中間報告②は、2009年6月19日(「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」の改訂に伴う福島第一原子力発電所の耐震安全性評価結果中間報告書(改訂版)等の経済産業省原子力安全・保安院への提出について」)。そして、その修正版が2010年4月(「福島第一原子力発電所および福島第二原子力発電所の耐震安全性評価結果中間報告書(改訂版)等の一部修正ならびに修正版の経済産業省原子力安全・保安院への提出について」)
どんどん、わからなくなってきました…。
ニュース等では、津波は5.7m、地震についてはM8.0を想定していた、というような記事がありました(NHK「かぶん」ブログ:原発襲った津波は14m以上)が、プレスリリースを確認する限りでは、この数字は出てきませんでした。もしかしたら、策定した基準地震動から計算・シミュレーションすれば出てくるのかもしれませんが。
例えば、原子力安全・保安院とかに基準があって、それにのっとるように設計(福島第一原発は40年前にできたから、これはないな)とか、改築などされていっているのかな、と思っていましたが、想定外でした…。
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