M.J.アドラーとC.V.ドーレンによって書かれたこの本は、「『読む』ことによって知識を得、理解を深め、すぐれた読書家になりたいと思う人のために書かれた本」です。
小説や物語の読書というよりは、論文や学術書、教養書を読むための技術を紹介した本で、学生時代に読んでおけばよかったと思う本です。
この本で述べられている本の読み方で、中心的に扱われているのが「分析読書」の方法。
読書のレベルを「初級読書」「点検読書」「分析読書」「シントピカル読書」の4つのレベルに分け、その3つ目のレベル「分析読書」を中心に紹介されています。
ちなみに「初級読書」は、「読み書きのまったくできない子供が初歩の読み書きの技術を習得する」ための読書。「点検読書」は、「系統立てて拾い読みする」読書。「シントピカル読書」は、「1冊だけではなく、1つの主題について何冊もの本を相互に関連づけて読む」「比較読書法」とも呼べる読書。
「分析読書」は「徹底的に読むこと」、つまり「精読」です。
その「精読」の方法・技術が紹介されています。以下、「分析読書」についての段階と規則のご紹介です。
以下、「分析読書」についてまとめたページがあったので、それをもとに作成したものです。
Ⅰ.分析読書の第1段階「概略」―何についての本であるか見分ける―
(1)種類と主題によって本を分類する。
(2)その本全体が何に関するものかを、できるだけ簡潔に述べる。
(3)主要な部分を順序良く関連づけてあげ、その概要を述べる。
(4)著者が解決しようとしている問題が何であるかを明らかにする。
Ⅱ.分析読書の第2段階「解釈」―内容を解釈する―
(5)キー・ワードを見つけ、著者と折り合いをつける。
(6)重要な文を見つけ著者の主要な命題を把握する。
(7)一連の文の中に著者の論証を見つける。または、いくつかの文を取り出して、論証を組み立てる。
(8)著者が解決した問題はどれで、解決していない問題はどれか、見きわめる。未解決の問題については、解決に失敗したことを、著者が自覚しているかどうか見定める。
Ⅲ.分析読書の第3段階「批評」―知識は伝達されたか―
(A)知的エチケットの一般的心得
(9)「概略」と「解釈」を終えないうちは、批評にとりかからないこと。(「わかった」と言えるまでは、賛成、反対、判断保留の態度をさし控えること)(B)批判に関してとくに注意すべき事項
(10)けんか腰の反論はよくない。
(11)批評的な判断を下すには、十分な根拠をあげて、知識と単なる個人的な意見を、はっきり区別すること。
(12)著者が知識不足である点を、明らかにすること。<注意>(12)(13)(14)は、反論の心得である。この3つが立証できない限りは、著者の主張に、ある程度、賛成しなくてはならない。その上で、(15)の批判に照らして、全体について判断を保留する場合もある。
(13)著者の知識に誤りがある点を、明らかにすること。
(14)著者が論理性に欠ける点を、明らかにすること。
(15)著者の分析や説明が不完全である点を、明らかにすること。
上記は、この本で紹介されている「分析読書」の3段階における規則を段階順に述べています。
これを見る限り、私の読書は、よくて第2段階の途中といったところでしょうか。
しかし、何よりも大切かもしれないのは、このような「分析読書」に耐えうるような『座右の書』というべき書を見つけることかもしれません。
今のところの私の座右の書は、う~ん、『論語』かな。
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