言葉の特徴のひとつとして、一次元的であることが言えると思います。
どのような言葉でも、例えば現代の日本語の文章ならば、基本的に縦書きでは上から下へ、横書きならば左から右へ書かれています。
ひらがなやカタカナ、漢字、あるいはアルファベットなど、行が変わることはありますが、基本的には一方向的です。
話す場合は過去から未来の方向へ。
普段は逆さから言うことはありませんし、2つの言葉を一度に話すことはできません。
(いっこく堂さんならできるかもしれませんが、普段はそんな話し方はしないでしょう。)
しかし、聞く場合は違っていて、例えば誰か2人が別々の言葉を話しても聞きわけることができます。
聖徳太子は十人の人の話を聞くことができたという逸話も聞いたことがあります。
底に小さな穴をあけた器に水を入れると、穴から水が少しずつ漏れていきます。
言葉はしたたり落ちる水のようなものかと。
ときには一度にドッと落ちてくるかもしれません。
聞くことは、その落ちてくる水を受けとめることに似ています。
少しずつ漏れてくるようならば、ゆっくりと受け止めて最後の一滴まで。
これが「最後まで聞く」ですね。
いっぺんに落ちてくるようならば、飛び跳ねないように注意して受けとめなければなりません。
サッカーのトラップのように衝撃を和らげつつ受け止めます。
話し方によって、聞き方を変える。
当然といえば当然のことです。
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