帽子は何色?
司会者は、A、B、そしてC(あなた)の三人を座らせた。
司会者「これからみなさんに帽子をかぶせます。かぶせるのは、全部で五個ある帽子のうち三個です。五個の帽子の三個は赤、二個は白です。自分の帽子の色を見ることはできませんが、他人の帽子の色は見えます」
司会者は、三人に帽子をかぶせ、残った二個の帽子を隠した。
司会者「Aさん、あなたの帽子は何色でしょう?」
参加者A「……わかりません」
司会者「Bさん、あなたの帽子は何色でしょう?」
参加者B「……わかりません」
Cであるあなたには、AとBの帽子が見える。両方とも赤だ。
司会者「Cさん、あなたの帽子は何色でしょう?」
参加者C「……」
さあ、Cであるあなたの帽子の色は何色?
この問題は、漫画『数学ガール ゲーデルの不完全性定理①』では、次のようなシチュエーションに変わっています。
耳は全部で5個あります。
ウサミミは3個、ネコミミは2個です。
自分の耳は見えません。
さて、自分がつけている耳は何ミミなのか当てましょう。
どちらの問題も構造は同じです。
この手の問題は、論理パズルの本を見ると、必ずと言っていいくらい出てくるものです。ゆっくりじっくり考えると答えは出てきます。
ところが、ゆっくりじっくり考える前に答えを見てしまうのです…(少なくとも私は)。
なので、この問題はゆっくりじっくり考えてください。
ここでは、原作と漫画の違いについて。
漫画ではこの問題での法則を「ネコウサの定理」と名付けています(原作の方では、「…というのは《定理》みたいなもんだね」のみ)。
この漫画の方は、上記のことからもわかるように、原作を忠実に漫画にしたものではありません。再構成しています。
ネコウサを出すことで、萌えキャラを出す狙いもあるかと思いますが、やはり絵的に映えるのでしょう。
この漫画版のイメージが動的だとすると、原作は静的なイメージです。
ゲーデルの不完全性定理に限らず、数学はどちらかというと静的なイメージ。
証明が漫画でどのように表現されるのか楽しみです。
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