収納については何かと気になりますし、マンションでもクローゼットならあるところも多いので、「押入れ」というのは和室や日本家屋にふさわしいような気がします。
「押し入れ」という名前がなくなってきているのかもしれません。
一方、「引き出し」は身の周りにたくさんあります。
箪笥の引き出し、机の引き出しなど。
「押し入れ」は家に付随しているものであるのに対して、「引き出し」は主に家具などに付随しているものであるように思います。
なぜ急にこんなことを書いているのかというと…、
思い付きです。
コーチング(coaching)について説明されるとき、よく引き合いに出されるものがティーチング(teaching)です。
ティーチングは「教える」、コーチングは「引き出す」。
力の向きが逆です。
ならば、「引き出す」の逆は、「押し入る」でもいいのではないか?
で、「引き出し」と「押し入れ」(^-^;)
しかし、「押し入る」と「教える」というのは、音が似ていませんか?
ひらがらにすると、「おしいる」と「おしえる」。
というわけで、「押し入れ」と「引き出し」の違いが、ティーチングとコーチングの違いに結び付かないかなと考えてみるわけであります。
さて、「押し入れ」と「引き出し」の違いは何かと考えると、ひとつは冒頭のように、「押し入れ」は主に家や部屋などに付随するものであるのに対して、「引き出し」は主に家具などに付随するものであるということ。
「押し入れ」の方が大きなものが入りそうです。
また別の違いをいうと、「押し入れ」は、今は使わないけれども時が来れば必要になるものを入れていることが多いイメージですが、「引き出し」は、頻繁に使うようなものを入れているイメージがあります。
これらから「教える」「引き出す」に(無理矢理)結び付けてみると、「教える」は、体系的な知識であるとか、共通の知識と相性がよく、「引き出す」は、ちょっとした知識や工夫、その人個人の考え方などと相性がいいように思います。
儒学の四書のひとつである『中庸』の冒頭に以下のような文があります。
天の命ずるをこれ性と謂う。脇道にそれないようにするのが「教(おしえ)」とするならば、道を選ぶことが「引き出すこと」にあたるかもしれません。
性に率うをこれ道と謂う。
道を脩むるをこれ教と謂う。
クローゼット(closet)も、閉じる(close)から来ている言葉だと思いますし、外側から囲っていくのが「ティーチング」、内側から築いていく(気付いていく?)のが「コーチング」。
と、まあ言葉遊びみたいになりますが、なかなか面白いと思うのは私だけでしょうか?