実家の隣には、祖父母の家があります。
その祖父母の家の軒下に、絡新婦(女郎蜘蛛、ジョロウグモ)が巣を張っていたときがありました。
私が小学生くらいのときです。
特に何か悪さをするわけでもなく、田舎の言い伝え(?)で、家に住む蜘蛛は殺してはいけないということもあり、玄関の軒下にも関わらず、そのままの状態です。さすがに今はいませんが。
絡新婦は蜘蛛の巣を、まさしく蜘蛛の巣状に張り、その真ん中に居座っていました。
静かなものです。
ある日、特に何か考えがあったわけでもなく、私は田んぼで蛙を捕まえていました。アオガエルです。
そしてふと軒下の絡新婦が目に入りました。
「蜘蛛は、巣にかかった虫を食べるけれど、蛙は食べるかな?」
ちょっとした疑問を解決するために、蛙を蜘蛛の巣に放り投げました。
蛙が網にかかったその瞬間。
動いたところを見たことがない絡新婦が、一気に蛙に飛びかかり、お尻から糸を吐き出しながら、蛙を回転させつつ糸でグルグル巻きにしてしまいました。
最初はもがいていた蛙ですが、やがて動かなくなり、蚕の繭のようになってしまったのです。
正直、驚きました。
ほとんど動かなかった絡新婦が、あんな素早い動きを見せるとは思っていませんでした。
面白くもあり、その動きを見たくもあり、その後数日は、蛙や虫を取っては、蜘蛛の巣に放り投げていました(笑)
蜘蛛の巣上に繭が4つくらいついていたときもありました。
あまり多いと、見向きもされないことも知りました。
生きた虫や蛙でないと見向きもしませんでした。
なぜ、こんな話をしたのかというと、先日の心徒塾で「動態聴力」という言葉を聞きました。
「動体視力」ではなく、「動態聴力」。
そして、動態聴力を鍛えるためにはどうしたらいいか。
そのときのイメージが、蜘蛛が蜘蛛の巣を張り巡らせているイメージでした。
アンテナを張り巡らし、何がアンテナに引っかかるのかを知ること。そして、引っかかるものを増やしていくこと。
さらに、巣に獲物がかかったと同時に瞬時に飛びつく。
軒下の絡新婦が教えてくれたのかもしれません。
(以下に紹介している本は、本文とは何の関係もありません)
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