2011/05/29

無限に向かう考察

茉崎ミユキさんの『数学ガール ゲーデルの不完全性定理①』を読みました。原作は結城浩さんの「数学ガール」シリーズということですが、原作の方は未読です。

さて、その『数学ガール』の中で、次の数式が正しいことについての説明がありました。
0.999… = 1
0.999…について以下のようにまとめられていました。
  • 0.999…は《ある数》を表している
  • 0.9、0.99、0.999 と進むと、《ある数》に限りなく近づく
  • 0.9、0.99、0.999 と進んでも、《ある数》は出てこない
  • 0.999…が表している《ある数》は1に等しい

イメージとしてはこんな感じです。
0.999… = 《ある数》 = 1
極限の考え方ですね。

また、補足として以下のことも記されていました。
0.999… (1に等しい)
0.999…9 (1より小さい)
無限に続く「…」の後に「9」があるかないかで、「=(等しい)」なのか、「<(より小さい)」なのかが違っています。

ここで思い出したのが、「 0 = 0.000…1 」の話です。

「0.999…9<1」ならば、「0 = 0.000…1」ではなく、「0<0.000…1」ではないのかな、あるいは、「0.999… = 0.999…9」ではないのかな、とちょっと思った次第です。

以下、無限小数に対しての考察です。

ちなみに、私は数学の専門家ではありませんので、表現や厳密性に欠ける場合があります。ご了承ください。



0 = 0.000…1 の話を最初どこで聞いたかは定かではありません。大学での一般教養の授業だったような気がします。

そこでは、次のような証明がなされていたように思います。

まず、分数1/9(9分の1)について、
1/9 = 0.111…
両辺を9倍して、
1 = 0.999…
両辺から0.999…を引いて
0.000…1 = 0
という証明だったように思います。

ここでは、「1 = 0.999…」も証明されています。


ちょっと視点を変えて、数列として考えてみます。

0.999…についてのまとめの中で、0.9、0.99、0.999、…と進んでいくという表現があったからです。

0.1、0.01、0.001、…という数列を仮に数列Aとすると、数列Aは以下のような式で表現できます。(nは自然数)
数列A = (1/10)^n

0.9、0.99、0.999、…という数列を仮に数列Bとすると、数列Bは以下のような式で表現できます。(nは自然数)
数列B = 1 - (1/10)^n

ここで、数列Aの要素としては、0.000…1という数は出てきません。同様に数列Bの要素として0.999…という数は出てこない。つまり、0.999…と0.000…1は似ているのです。

一方、0.999…9は、数列Bの要素として出てきます。「…」という無限の表現が含まれていますが、有限小数に近いものです。「0.999…9 = 0.999…」とは言えないし、「0.999…9 = 1」とも言えません。

数学の言葉を借りれば、0.999… は 1 に収束する、0.000…1 は 0 に収束する、といえます。しかし、0.999…9 は収束前の数です。

0.999…9に対応した数列Aに表れる要素としての表現が上手くできないところが、当初の疑問(「0.999…9<1」ならば、「0 = 0.000…1」ではなく、「0<0.000…1」ではないのかな、あるいは、「0.999… = 0.999…9」ではないのか)が出てきた理由ではないかと思います。


【追記】
0.999… = 1 について、もっとわかりやすいかな、というのを思いついたので追記。

分数1/3(3分の1)について、3分の1は小数を使って書くと、
1/3 = 0.333…
と書けます。

1/3は3倍すると1になるので、上の式の両辺を3倍すると、
1 = 0.999…
と書けます。

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