2020/06/25

流枕ワーク

漱石というペンネームは、中国の故事に基づくことは有名である。

ある人が「石に枕し、流れに漱ぐ」と言おうとして、誤って「石に漱ぎ、流れに枕す」と言ってしまった。それを聞いた人が間違いを指摘すると、「石で漱ぐのは歯を磨くため、流れを枕とするのは耳を洗うため」と間違いを認めず屁理屈をつけたという話で、偏屈であるとか、負けず嫌いであるとか、そんなことを「漱石枕流」というようになった。漱石というペンネームはここから来ている。

そこで、単なる思いつきだが「流枕ワーク」という言葉が浮かんだ。

ルーティンワークというのは手順が決まっている作業というような意味で、決まった動作をすることで、たとえば気持ちをリセットしたり、その日の状態を確認したりできるようなメリットがあるような意味で使われることもあれば、同じ作業の繰り返しでつまらないというような意味で使われることもある。

では「流枕ワーク」とはどんな意味か? 「枕流」ではなく「流枕」であることに注意されたい。「流れに枕す」ではなく「枕を流す」、つまり「流枕ワーク」とは「枕を流す作業」である。「たらちねの母」とか「あしひきの山」とかの「たらちねの」「あしひきの」という言葉を枕詞というが、枕を流すというのは「たらちねのタランチュラ」とか「あしひきのゴーシュ」とか言って枕詞を無視するようなことである。

つまりはこのブログ記事のように、「漱石枕流」を枕として、それとはあまり関係ないことを書くような作業のことを「流枕ワーク」という。

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