電話窓口でのモニタリングというのは、お客様とオペレーターの電話での会話を聞き、その様子をチェックすることです。
普段は会話の流れをあまり止めたくはないため、電話対応終了後にフィードバックをするのですが、今回はちょっとお客様の雰囲気が悪くなり始めたために、対話の途中に手を出しました。
お客様がイライラしはじめたにも関わらず同じような調子で対応していたためです。
クレームになり始めた理由は、お客様の言っていることをオペレーターがわかっていなかったため。
いや、わかってはいるのですが、お客様の言っていることとオペレーターが言っていることが少しずれているためです。
かなり簡略していうと、お客様が「登録をそのままにしておいてほしい」と言ったことに対して、オペレーターの答えは「わかりました。何もしないということですね」というもので、「いや、そうじゃなくて」と、そこから少しずつ話がずれていきました。
そして、私が指示したのは「『わかりました。そのままにしておきます』と言って」というものです。
「登録をそのままにしておいてほしい」と言われ、「何もしません」と答えるのと、「そのままにしておきます」と答えるのとでは、文字で書くと違いがよくわかると思います。
しかし、会話のなかではなかなか気付きません。
実際、そのオペレーターも電話が終わった後に話したとき、「私はそう言っていた」と言い、なぜ途中で電話を保留にさせられてオペレーションを訂正されたのかわかっていませんでした。
たとえば、話し手の「ムカつく」という言葉を受けて「腹が立つのですね」と返したり、話し手が「好き」と言ったのに「愛している」と言いかえたりしたとき、話し手の伝えたかったニュアンスからはずれてしまうことがあります。すると話し手は、自分の言いたいことが伝わらないと思い、話を深めていく気持ちをなくしたり、いらだったりします。上記は、書籍『わもん』に「話し手の『ものさし』を取り込む」という章に書かれていることです。
先日のケースは、この現場を目の当たりにした状況です。
間違ってはいないけれども、ずれている。
たぶん、私自身もあると思います。
蝶の羽ばたきが嵐を起こすバタフライ効果と言われる現象は、会話のなかでも起こりうるもの。
ちょっとしたずれが、のちのち大きくなることは多々あります。
先日の出来事の際、オペレーターに途中で止めた理由などをひととおり説明はしましたが、オペレーターはまだちょっと不納得な様子でした。
私もまだまだ修行が必要ですね…。
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