2010/11/30

5つのビリヤード玉の問題(2)

前回の続きです。

気が向いたら…、と締めくくっていたのですが、小説内ではさらに以下のようなやり取りがあります。
…天王寺博士の宿題について少し議論した。問題は玉の数が五個だったが、四個の場合も問題が成立する。では、六個はどうか、n個ではどうか、という話だった。
こちらについても、解答や解説はありません。

この問題について、n個の一般解を求めることができるのか?

難題です。

少しずつ考えてみましょう。

(以下、この記事内で解けるかどうかはわかりません。書きながら考えています。)


まずは、五つのビリヤード玉の問題を自分の考えを整理しながら解いていきたいと思います。

(以下、問題の再掲)
「…五つのビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングでつなげてみるとしよう。玉には、それぞれナンバが書かれている。さて、この五つの玉のうち、幾つ取っても良いが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、五つ全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバを足し合わせて、1から21までのすべての数ができるようにしたい。さあ、どのナンバの玉を、どのように並べて、ネックレスを作れば良いかな?」
とりあえず分けて、数学的な表現にしてみます。

(横書きなので漢数字を数字に置き換えしています。)

  • 5個の異なる自然数を、真珠のネックレスのように、リングでつなげる。
  • この5個の自然数のうち、隣どうし連続したものしか取れない(=離れているものは取れない)。
  • この条件で取った自然数を足し合わせて、1から21のすべての自然数ができるようにしたい。
  • 5個の自然数は何か、そしてどのように並べるか?
となると思います。


まず考えることは、5個の異なる自然数を環状に並べ、隣どおし連続したものしか取れないという条件で、取り方は何通りあるか?です。

とりあえず、環状に並べた5つの自然数をそれぞれA・B・C・D・Eと置きます。

  • 1個ずつ取る取り方は、「Aを取る」「Bを取る」…「Eを取る」の5通り。
  • 2個ずつ取る取り方は、「ABを取る」「BCを取る」…「EAを取る」の5通り。
  • 3個ずつ取る取り方は、「ABCを取る」「BCDを取る」…「EABを取る」とこれも5通り。
  • 4個ずつ取る取り方は、「ABCDを取る」「BCDEを取る」…「EABCを取る」とこれも5通り。
  • 最後5個すべてを取る取り方は1通り。
となり、全部で 5+5+5+5+1=21(通り) となります。

この21通りが、1から21のすべての自然数となるようにしたい、ということになるため、

A+B+C+D+E=21

が成り立つことになります。

また、「1」は必ず必要であるため、とりあえず

A=1

と置きます。

環状につながっているので、どこに「1」を置いてもいいのですが、まあ考えやすいところで。

 

また、「2」も必ず必要になります。

なぜなら、「2」を2つ(以上)の自然数を足し合わせて作るためには、「1+1」しかないためです。

「1」を2つ使ってしまうと、21通りの中で、足し合わせて1から21を作ることができなくなってしまいます。

ただし「2」は、B・C・D・Eのどれにあたるかは、まだわかりません。

 

しかし、5個の自然数の合計は21で、5個の自然数のうち2個は「1」と「2」です。

まずは、残り3個の自然数にはどのような組み合わせがあるか考えてみましょう。

残り3個の自然数の合計は 21-(1+2)=18 となるため、3以上の異なる3個の自然数の組み合わせは、

{3、4、11}{3、5、10}{3、6、9}{3、7、8}

{4、5、9}{4、6、8}

{5、6、7}

の7通りです。

 

ここまでで、ひとまずもとに戻ります。

今、「2」の場所は決めずに考えていましたが、「2」の場所を場合分けして考えてみます。

場合分けは、

(a)「1」と「2」が隣り合っている場合(すなわち、B=2 or E=2 の場合)

(b)「1」と「2」が隣り合っていない場合(すなわち、C=2 or D=2 の場合)

です。

 

(a)「1」と「2」が隣り合っている場合(すなわち、B=2 or E=2 の場合)

「1」と「2」が隣り合っていることより、「3」は不要となります。

従って、残り3個の自然数の組み合わせは、

{4、5、9}{4、6、8}{5、6、7}

の3通りになります。

さらに、「1」と「2」が隣り合っていて、「3」が不要となれば、足し合わせて4となる組み合わせを作る組み合わせができないので、「4」が必要になります。

従って、残る組み合わせは、

{4、5、9}{4、6、8}

の2通りです。

さらに足し合わせて5を作るには、「1」「2」が隣り合っていて「4」がどこかに存在することになるため、ここでも場合分けをしてみます。

(a1)「5」が存在する場合

(a2)「5」が存在しない場合

(a1)「1」と「2」が隣り合っていて、「4」と「5」が存在する場合

ここでは、5個の自然数は{1、2、4、5、9}になります。

これの並べ方ですが、A=1、B=2 と置くと、Eが「4」となることはありません。

EとAを取った時に足し合わせると5になるからです。

従って、並べ方は、

1・2・4・5・9

1・2・4・9・5

1・2・5・4・9

1・2・9・4・5

の4通り。

では次に足し合わせて6となる組み合わせが存在するのはどれになるかというと、

1・2・4・5・9

1・2・4・9・5

1・2・9・4・5

の3通りに減ります。

さらに足し合わせて7となる取り方が存在するのはどれかとなると、

1・2・4・5・9

1・2・4・9・5

の2通り。

さらに足し合わせて8となる取り方があるものは

1・2・4・9・5

の1通りとなります。

しかしこの並べ方では、足し合わせて10とする取り出し方が存在しません。

したがって、ボツ。

(a1)「1」と「2」が隣り合っていて、「4」は存在し、「5」は存在しない場合

ここでは、5個の自然数は{1、2、4、6、8}になります。

これの並べ方ですが、A=1、B=2 と置くと、E=4となります。

なぜなら、足し合って5を作るためには、「3」がないため、1+4 の組み合わせしかないからです。

従って並べ方は、

1・2・6・8・4

1・2・8・6・4

の2通り。

足し合って7となる取り方はどちらもあり。

では、足し合って9となる取り方は…となると、

1・2・6・8・4

の1通り。

ですが、10が作れないためボツ。

つまりは、「1」と「2」は隣合うことはない、ということになります。

 

こうやって、今度は場合分け(b)に入るわけですが、疲れたので今度にします(^-^;)

果たしてこのような考え方で、一般解が導けるのでしょうか?

不安が残ります…

 

【追記】

続きを書きました。

5つのビリヤード玉の問題(3)

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