2015/02/08

ピタゴラスの定理

阿刀田高さんの『アイデアを捜せ』という本を読んでいると、次の文章に出くわした。
ありていに言えば、このアイデアはまことにすばらしいしろものだが、小説化が極端にむつかしい。ピタゴラスの定理をもとに小説を創ってみろ、と言われるようなものである。
この文章を読んだとき、阿刀田さんの表現を借りて言うと、私の「猫の耳が立った」。

――ピタゴラスの定理をもとに小説を創ってみるとおもしろいかもしれない。

小説とは言えないまでも、ブログ記事を書くことくらいならばできるかもしれない。

そう思って書きはじめた。
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「ピタゴラスの定理」というのは、直角三角形の性質を表す等式で、斜辺の長さの2乗が、残り2辺の長さをそれぞれ2乗して、それさを足し合わせたものに等しいという等式だ。

斜辺の長さをc、残り2辺の長さをそれぞれa、bとすると、
a2 + b2 = c2
と表すことができる。

別名「三平方の定理」ともいう。

話によると、ピタゴラスが発見したわけではないようだが、なぜか「ピタゴラスの定理」と呼ばれている。


古代ギリシアの数学者・哲学者のピタゴラスを中心としたピタゴラス教団では、線は点を有限個あつめたものだという認識があり、無理数の存在を認めていなかった。

しかし、ピタゴラスの定理が発見されると、どうしても無理数が存在するように思えてくる。

一辺の長さが1である正方形の対角線の長さは、現代ならば√2であると表現することができるが、無理数を認めていなければ、対角線の長さを表現できない。

ピタゴラスの定理が発見されたことで、ピタゴラス教団は無理数と向き合わなければならなかった。

というよりは、排除しようとしたといった方がいいかもしれない。

一説によると、無理数の存在を否定するあまりに、無理数についての口外を避けるため仲間を溺死させたという話がある。
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ここまで書いたところで、仲間に読んでもらった。

ブログ記事になるだろうか、と。

仲間は一言、「無理があるな」と言った。

ピタゴラスの定理でブログを書いたことで、私は無理と向き合わなければならなかった。

というよりは、排除しようとしたといった方がいいかもしれない。

一説によると、「無理」と否定されるあまりに、仲間を溺死させたという話がある。

(念のため、フィクションです。)

アイデアを捜せ (文春文庫)
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