「格物」「致知」「誠意」「正心」「修身」「斉家」「治国」「平天下」の8つです。
「格物」から「修身」をまとめて「修己」、「斉家」から「平天下」をまとめて「治人」。
儒学は「修己治人」の学問だと言われます。
己を修め人を治める、です。
さて、先日(3/10)の「心徒塾」で、「修身」という言葉がでてきました。
冒頭の『大学』も頭に浮かびましたが、もうひとつ、昨年読んだ本も思い浮かびました。
『国民の修身』という本で、帯には「戦前の修身教科書を再現!」と書かれていました。
実はこの本、特に「修身」のことを知りたいと思い買った本ではありません。
監修者の渡部昇一さんの名前に魅かれて買った本です。
渡部昇一さんの『知的生活の方法』という本があり、この本は、私が本をよく読むようになったきっかけの本。
その中の最初にシェイクスピアの『ハムレット』の言葉が引かれています。
最後に、最も大切なる訓……己に対して忠実なれ、さすれば夜の昼に継ぐが如く、他人に対しても忠実ならん。(坪内逍遥訳『ハムレット』第一幕第三場より)
この本を読んだ頃は、『大学』も読んでおらず、「修身」という言葉も知りませんでしたが、「己に対して忠実なれ」という言葉は頭に残りました。
そして、本日、「修身」という言葉を聞き、「己に対して忠実なれ」という言葉も頭に浮かんだ次第。
『国民の修身』の「修身」とは、今でいう道徳のようなもの。
「修身」は「身を修める」と書きます。
身を修める「修身」、己を修める「修己」、そして「己に対して忠実なれ」
『大学』の八条目の中の、「誠意(意を誠にす)」「正心(心を正す)」にもつながります。
自分の中の不安、疑問は「二人羽織」を通すと増幅されます。
先日の心徒塾では、そのことをまざまざと体験しました。
不安、疑問は、己に対して忠実でないときに湧き上がります。
己に対する不安、疑問です。
己に対して忠実なること、「自己わもん」へとつながります。
国民の修身
大学・中庸 (岩波文庫)
わもん -聞けば叶う