2012/04/04

為政第二・6「孟武伯問孝。~」

先日、「為政第二・5「孟懿子問孝。~」」の記事を書いた後、facebookでコメントをいただきました。

そのコメントは、今回の論語の言葉に近い言葉。
孟武伯孝を問う。子曰く、父母には唯其の疾を之れ憂えよ。

孟武殿が孔子に「孝」の意味を尋ねたところ、孔子が言うには、「父母には唯其の疾を之れ憂えよ」とのこと。


原文で書くと「父母唯其疾之憂」。

先ほどの書き下し文は加地伸行さんの『論語』によるもので、訳としては次のように書かれています。
「父母に対して、病気ではあるまいか〔と健康状態を〕ただただ心配することだ」

一方で注として、別の解釈があることも述べています。

「其の疾」の「其」を父母ではなく子とする解釈として、「父母をして其の疾を之れ憂えしむ」。

意味としては、「子としては、父母に病気のときにのみ心配をかけるようにして、その他のことでは心配をかけてはならない」との解釈です。


「其」を父母とすると「其の疾」は「父母の病気」。

「其」を子とすると「其の疾」は「子の病気」。

代名詞が何を指すかによって解釈が変わります。


しかし、解釈は変わろうとも、父母には健康でいてほしいと思い、そして、自分のことでも心配をかけたくない。

それが「孝」なのかもしれません。

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