2020/01/18

分解体

エミール・アルティン『ガロア理論入門』第2章第4節は、「分解体」についての内容です。
 KBEKBE のような3つの体 K,B,EK,B,E を考えたとき、BB中間体という。p(x)p(x)K 内の多項式で、拡大体 E においては1次因子だけに分解するものとする。いまその1次式分解を
p(x)=a(xα1)(xα2)(xαs)
のように表わす。ここで ax の最高次の係数であり、K の要素である。

このような分解が E のある部分体ですでに可能ということは、その中間体が α1,α1,,αs を含むということである。よってこのような分解が可能な最小の中間体は体 K(α1,α1,,αs) である。この体を p(x)K 上の分解体、または単に p(x)分解体という。

分解体の存在は次のようにしてわかる。まず定理7によって、体 K を拡大してその体の中で p(x)=(xα1)p1(x) と分解できるようにする。この操作を次に p1(x) について行なう。これをつづけていけば、p(x) が一次因子に分解されるような K の1つの拡大体に到達することができるわけである。すなわち:

定理9. 体 K 内の任意の多項式 p(x) に対して、p(x)K 上の分解体 E が存在する。
K 内の多項式 p(x) のすべての根を付加(添加)した体のことを p(x) の( K 上の)分解体といいます。 p(x) の根を α1,α1,,αs とすると、これらの根を付加した体 K(α1,α1,,αs)p(x) の分解体です。

引用文中にある「定理7」とは、クロネッカーの定理のことです。
定理7.(クロネッカー)
f(x) を体 K における定数でない多項式とするとき、K の拡大体 E で、f(x) がその中に根をもつものが存在する。

K(α1,α1,,αs) 上で、p(x) は1次因子に分解されます。p(x) を1次因子に分解できる最小の体であることから、最小分解体とも呼ばれます。

分解体
K 内の任意の多項式 p(x) に対して、p(x)K 上の分解体 E が存在する。

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