\( K \in B \in E \) のような3つの体 \( K, B, E \) を考えたとき、\( B \) を中間体という。\( p(x) \) を \( K \) 内の多項式で、拡大体 \( E \) においては1次因子だけに分解するものとする。いまその1次式分解を\( K \) 内の多項式 \( p(x) \) のすべての根を付加(添加)した体のことを \( p(x) \) の( \( K \) 上の)分解体といいます。 \( p(x) \) の根を \( \alpha_1 , \alpha_1 , \cdots , \alpha_s \) とすると、これらの根を付加した体 \( K ( \alpha_1 , \alpha_1 , \cdots , \alpha_s ) \) が \( p(x) \) の分解体です。
$$
p(x) = a ( x- \alpha_1 ) ( x- \alpha_2 ) \cdots ( x- \alpha_s )
$$
のように表わす。ここで \( a \) は \( x \) の最高次の係数であり、\( K \) の要素である。
このような分解が \( E \) のある部分体ですでに可能ということは、その中間体が \( \alpha_1 , \alpha_1 , \cdots , \alpha_s \) を含むということである。よってこのような分解が可能な最小の中間体は体 \( K ( \alpha_1 , \alpha_1 , \cdots , \alpha_s ) \) である。この体を \( p(x) \) の \( K \) 上の分解体、または単に \( p(x) \) の分解体という。
分解体の存在は次のようにしてわかる。まず定理7によって、体 \( K \) を拡大してその体の中で \( p(x) = ( x- \alpha_1 ) p_1(x) \) と分解できるようにする。この操作を次に \( p_1 (x) \) について行なう。これをつづけていけば、\( p(x) \) が一次因子に分解されるような \( K \) の1つの拡大体に到達することができるわけである。すなわち:
定理9. 体 \( K \) 内の任意の多項式 \( p(x) \) に対して、\( p(x) \) の \( K \) 上の分解体 \( E \) が存在する。
引用文中にある「定理7」とは、クロネッカーの定理のことです。
定理7.(クロネッカー)
\( f(x) \) を体 \( K \) における定数でない多項式とするとき、\( K \) の拡大体 \( E \) で、\( f(x) \) がその中に根をもつものが存在する。
\( f(x) \) を体 \( K \) における定数でない多項式とするとき、\( K \) の拡大体 \( E \) で、\( f(x) \) がその中に根をもつものが存在する。
体 \( K ( \alpha_1 , \alpha_1 , \cdots , \alpha_s ) \) 上で、\( p(x) \) は1次因子に分解されます。\( p(x) \) を1次因子に分解できる最小の体であることから、最小分解体とも呼ばれます。
分解体
体 \( K \) 内の任意の多項式 \( p(x) \) に対して、\( p(x) \) の \( K \) 上の分解体 \( E \) が存在する。
体 \( K \) 内の任意の多項式 \( p(x) \) に対して、\( p(x) \) の \( K \) 上の分解体 \( E \) が存在する。
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