時間を図で表現するようなとき、僕たちは矢印を、左から右に進む矢印(→)を、描くことが多い。そして、左側の矢印の元となる部分は「過去」、右側の矢印の先は「未来」として、矢印の中ほどに印をつけて「現在」と表現している。そのためか、時間は過去から未来に流れていると思っている。
しかし言葉の上では、少なくとも日本語では、時間は未来から過去に流れているように表現される。
たとえば、今日を基準として「1日前」「2日前」というと、これは「過去」である。「1日後」「2日後」というと「未来」である。「過去」が「前」で、「未来」が「後」として表現される。
一方で僕たちは「未来」に向かっている。「過去」については振り返ったりすることができる。前に向かうことは未来へと進むことである。
これは矛盾することではない。たとえば時間を川にたとえてみよう。川の中に僕たちがいる。そして僕たちが川の上流に向かっていることを「未来」に向かっているとしよう。すると下流は「過去」となる。川の流れとしては上流から下流に流れているので、時間は「未来」から「過去」に流れているといえる。
僕たちは未来に進むために時間の川を遡っている。
桜の季節は過ぎ去ろうとしている。令和という新しい時代がやって来る。未来からやって来て、過去に過ぎ去っていく。
時間は未来から過去に流れている。
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