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5つのビリヤード玉の問題
5つのビリヤード玉の問題(2)
5つのビリヤード玉の問題(3)
さて、以下の問題について、n 個の場合についてそろそろ考えてみましょう。
「…五つのビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングでつなげてみるとしよう。たまには、それぞれナンバが書かれている。さて、この五つの玉のうち、幾つ取っても良いが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、五つ全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバを足し合わせて、1から21までのすべての数ができるようにしたい。さあ、どのナンバの玉を、どのように並べて、ネックレスを作れば良いかな?」
n 個の場合の問題とするには「1 から 21 までのすべての数ができるようにしたい」という部分も変えなければなりません。
「1 から 21 までまで」としたのは、玉の取り方が 21 通りあるからです。
では、n 個のビリヤード玉での玉の取り方は何通りあるかというと、n(n-1)+1 通りとなります。
で、問題を n 個のビリヤードの玉として置き換えると、以下のようになります。
「n 個のビリヤードの玉を、真珠のネックレスのように、リングでつなげてみるとしよう。たまには、それぞれナンバ(自然数)が書かれている。さて、この n 個の玉のうち、幾つ取っても良いが、隣どうし連続したものしか取れないとしよう。一つでも、二つでも、n個全部でも良い。しかし、離れているものは取れない。この条件で取った玉のナンバを足し合わせて、1 から n(n-1)+1 までのすべての自然数ができるようにしたい。さあ、どのナンバの玉を、どのように並べて、ネックレスを作れば良いかな?」
このままでは、わからないため、まずは n=1 から順に確認してみたいと思います。
n=1 の場合
これは答えは①のみです。
以下、「①」は「1と書かれたビリヤードの玉」とします。
(左端の数字は足し合わせた合計の数で、右側にビリヤードの玉の取り出し方)
- ①
n=2 の場合
2 個のビリヤード玉を使って、1 から 3 をつくることになります。
これも答えは①②となります。
- ①
- ②
- ①②
n=3 の場合
3 個のビリヤード玉を使って、1 から 7 をつくることになります。
これはちょっと考えればわかります。
①②④ですね。
- ①
- ②
- ①②
- ④
- ④①
- ②④
- ①②④
n=4 の場合
4 個のビリヤード玉を使って、1 から 13 をつくることになります。
自分で解いてはいないのですが、どうやらこの場合は答えが 2 通りあるようです。
[答1]①③②⑦
- ①
- ②
- ③
- ①③
- ③②
- ①③②
- ⑦
- ⑦①
- ②⑦
- ②⑦①
- ⑦①③
- ③②⑦
- ①③②⑦
[答2]①②⑥④
- ①
- ②
- ①②
- ④
- ④①
- ⑥
- ④①②
- ②⑥
- ①②⑥
- ⑥④
- ⑥④①
- ②⑥④
- ①②⑥④
n=5 の場合
もともとの問題で、5個の玉を使って、1から21までをつくることになります。
答えは①③⑩②⑤
- ①
- ②
- ③
- ①③
- ⑤
- ⑤①
- ②⑤
- ②⑤①
- ⑤①③
- ⑩
- ②⑤①③
- ⑩②
- ③⑩
- ①③⑩
- ③⑩②
- ①③⑩②
- ⑩②⑤
- ⑩②⑤①
- ⑤①③⑩
- ③⑩②⑤
- ①③⑩②⑤
n=6 の場合
6 個のビリヤード玉を使って、1 から 31 までをつくることになります。
どうやらこの解も複数の解があるようです。
(確認作業割愛・・・)
[答1]①⑦③②④⑭
[答2]①③⑥②⑤⑭
[答3]①③②⑦⑧⑩
[答4]①②⑤④⑥⑬
[答5]①②⑦④⑫⑤
n=7 の場合
7 個のビリヤード玉を使って、1 から 43 の数字をつくることになります。
驚くべきことに(!?)、この場合は解なしのようです。
余談ですが、森博嗣さんの『すべてがFになる』で「7は孤独な数字」と言われていたことを思い出します。
ちなみに、n=4、6、7 の場合の解答については、こちらのサイトを参照しました。
ありがとうございます。
【2019/12/13追記】上記サイト、リンク切れとなっていました。Blog 2pi「『笑わない数学者』のビリヤード問題」