2019/09/04

不動点パズル26:二重不動点原理の導出(3)

(前回はこちら

問28 任意の記号列 z1 と z2 に対して、y1 は z1y2 をもたらし、y2 は z2y1 をもたらすような記号列 y1、y2 が存在することを示せ。たとえば、y1 が Ay2 をもたらし、y2 は By1 をもたらすような記号列 y1、y2 は何か。


(解答)
まずは、y1 が Ay2 をもたらし、y2 は By1 をもたらすような記号列 y1、y2 を求めることからはじめていく。

y1 が Ay2 をもたらし、y2 は By1 をもたらすので、これまでと同様に式で表してみると、
y1 → Ay2 ・・・・・①
y2 → By1 ・・・・・②
となる。

ところで、以前問題27において、規則Q と C だけを使い、それぞれが互いにもう一方をもたらすような二つの相異なる記号列 QCQQC と CQQC を見つけた(参照「不動点パズル24」)。Q からはじまる記号列が C からはじまる記号列をもたらし、C からはじまる記号列が Q からはじまる記号列をもたらすようなものを探す際、CQzC が zCQzC をもたらすことを利用して解答を求めた。今回も同じようにできないかを考えてみる。

求める記号列の片方を Q からはじまる記号列となるようにしたい。ここでは y1 を Q からはじまる記号列とする。y1 = Qz1 とすると、①、②は以下のようになる。
Qz1 → Ay2 ・・・・・①'
y2 → BQz1 ・・・・・②'
①'において、規則Q より、z1 = Ay2 となる。これをあらためて①'、②'にあてはめると、
QAy2 → Ay2 ・・・・・①"
y2 → BQAy2 ・・・・・②"
となる。

②"において、CQzC が zCQzC をもたらすことを利用することができる。すなわち、z を BQA とすると、CQBQAC は BQACQBQAC をもたらすので、y2 は、CQBQAC と求めることができる。このとき、y1 は、
y1 = Qz1 = QAy2 = QACQBQAC
つまり、y1 が Ay2 をもたらし、y2 は By1 をもたらすような記号列 y1、y2 として、QACQBQAC と CQBQAC がある。

同様のやり方で、任意の記号列 z1 と z2 に対して、y1 は z1y2 をもたらし、y2 は z2y1 をもたらすような記号列 y1、y2 を求めることができる。上記の A、B を、z2、z1 とした記号列 Qz2CQz1Qz2C と CQz1Qz2C が該当の記号列である。


さて、次の問題が、アーニーの二重不動点原理の証明である。

問29 アーニーの二重不動点原理を証明せよ。

(つづく)

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