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2020/03/12

パンデミックとパニック

3月11日、最近話題となっている新型コロナウイルス(COVID-19)について、世界保健機構(World Health Organization:WHO)が「パンデミックと言える」と表明した。

パンデミック(pandemic)という言葉はあまり好きではない。言葉の上で、パニック(panic)を連想してしまうからだ。

パンデミックはギリシア語の「pandemia」が語源で、「pan(全て)」+「demos(人々)」を意味する。一方、パニックはギリシア神話の牧神パン(pan、パーンとも)に由来する言葉である。Wikipedeiaの「パーン(ギリシア神話)」の項には、
実際には古形「パオーン、Παων、Paon」(「牧夫」の意、現代英語のpastureと同じ接頭辞)から名付けられたものだが、ギリシア語の「パン」(「全ての」の意)としばしば誤って同一視された結果、パーン神は性格と名前が誘惑的なものと思われるようになった。

パーンがテューポーンに襲われた際に上半身が山羊、下半身が魚の姿になって逃げたエピソードは有名であるが、この姿は低きは海底から高きは山の頂上まで(山羊は高山動物であるため)世界のあらゆるところに到達できるとされ、「全て」を意味する接頭語 Pan(汎)の語源となったともいわれている。
とあり、パンデミックとパニックは無関係であるとは言い切れないが、パンデミックとパニックを直接結びつける必要はない。

それでも連想してしまうのは、たとえば最近ではトイレットペーパーの買い占めなど、パニックを思わせるような現象が起こるからであろう。

パニックという言葉は、牧神パンに由来すると先に書いたが、その由来にも諸説ある。よく聞くのは、古代ギリシアでは家畜が突然騒ぎはじめたりする現象を、牧神パンの仕業と考えられていたため、それをパニックと呼んだというものである。他にも、ギリシア神話でオリュンポスに怪物テュポーンが現れたとき神々が逃げまわった。牧神パンは魚に変身して川に逃げ込もうとしたが慌てていたため、下半身は魚になったが、上半身はヤギとなった(その姿が山羊座に描かれている)。このような慌てぶりをパニックと呼んだという。

牧神パンは半獣神としてもイメージされている。ヤギと人の姿を混合した神である。半人半獣の精霊サテュロスとも同一視されることが多い。

そういえば、ウイルスも生物なのか無生物なのか曖昧な存在である。生物の定義としては、自己増殖、代謝、外界との隔離の3つがよく挙げられるが、ウイルスは外界との隔離はなく(わかりやすくいえば細胞壁がなく、細胞という構造を持たない)、宿主がなければ、代謝して自己増殖(複製)することもない。

こんなことを考えていると、ウイルスとパニックは案外似ているのかもしれないとも思う。とすると、パンデミックからパニックを連想するのも不思議ではないのかもしれない。

そんなことを思った。

2017/03/09

山羊座とパニック

山羊座の山羊を描くときは、上半身が山羊、下半身が魚の姿で描かれる。

そこにはギリシア神話での物語がある。

詳しくは覚えていないが、ギリシアの神々が宴会か何かをしていたとき、突然怪物テュポーンが現れた。神々は思い思いに逃げる。鳥に変身して空を飛んだり、足の速い動物に変身して走って逃げたりした。逃げる神々のなかには牧神パンもいた。パンは通常、上半身が人間、下半身が山羊で、山羊の角を生やした姿である。

パンは魚に変身して川に逃げようとした。しかし、慌てていたため、上半身は山羊、下半身は魚になって逃げたという話である。

なぜ逃げ惑う姿で、中途半端な変身の姿で星座となったのかは知らない。


このような話を覚えているのは、私が山羊座であることが大きい。

そしてもうひとつ、この物語が「パニック(panic)」の語源とされているからでもある。パニックは、牧神パンが慌てて逃げ惑う様子である。


山羊座の物語にも、パニックの語源にも諸説あると思うが、細かく調べたりするとパニックを起こしそうなので、今回はこの辺で逃げる。

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